第5話 ヒロインゲットだぜ!
「ふむ、話はわかった。嬢ちゃんさえ良ければなんだがな、俺たちの旅についてこないか?」
「まじかよハイゴズ…。先代勇者が子どもを誘拐するところなんか見たくなかったぜ。」
無言でげんこつが降ってくる。痛い。泣きたい。でも女の子の前で泣くのは恥ずかしいから我慢だ。
「旅の途中で嬢ちゃんにとって暮らしやすい場所が見つかるかもしれねえ。」
それまでは不安げな顔をしていたが、ハイゴズの言葉を聞いた途端に少女の目が輝いた。
「わぁ!じゃあわたし、花の町に行きたいです!花の町ではわたしみたいな魔物とのハーフが沢山いるって聞きました!」
花の町?聞いたことないから勇者の故郷へ向かう途中にはないのかもしれない。まあ多少の寄り道くらいハイゴズも許してくれるだろう。
「決まりだな。俺の名前はコージで、このおっさんがハイゴズだ。」
「わたし、タナって言います。よろしくお願いします。」
よし、タナのご主人様に話をつけに行こうか。
◆◇◆◇◆◇
タナに案内されたのはこの村でいっとう大きなお屋敷だ。地主とかなんだろうなあ。けっ、羨ましいぜ。
奥様が出てきてくれて茶の間まで案内してもらった。この奥様も超無愛想だ。怖いよ。
3人で横並びにソファに座って出された茶を飲み、主人の登場を今か今かと心待ちにしていた___
「いい加減遅くね?」
___ら、1時間が経過していた。
「あの、うちの村、排他的っていうか…他所から来た人をあまり良く思っていないです。でもご主人様は村では寛容な方ですよ!私のこと働かせてくれてます。」
自分の雇い主が悪く言われないように必死に弁明するタナ。きっとタナのご主人様はとんでもない悪人というわけではないのだろう。だが多すぎる仕事をさせられていたタナを思えば善人とも言えない。
しばらく物思いにふけっていると視界の端で何かが動いた。
「紙飛行機だ。何だってこんなところに。」
ハイゴズが紙飛行機を拾って広げてみる。そこには文字が書かれていた。
「読むぞ。
タナへ
事情は妖精たちに聞ききました。退職を許可します。
…だってさ。よそ者には顔も見せたくないってか。」
あまりに単調であっけない手紙に苛立ちがつのる。もうちょっとこう、さあ!別れを悲しむ言葉とかないわけ!?
だが、妖精使いか…とハイゴズがボソッとつぶやいたことを俺は聞き逃さない!なんだそれ!かっけー!!
どうやったら妖精と話せるようになる!?とうざ絡みする俺を放置してハイゴズは言った。
「あらためて、タナ、これから暫くよろしくな。」
「よろしくです。コージ、ハイゴズ。」
「おうよ!」
花の町の情報収集のため、次に向かうのは第7地区要塞都市だ!
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