彼女の声は、誰に届くのだろう?
- ★★★ Excellent!!!
スタジオの椅子に座り、マイクをセットして、
DJブースには人気曲を用意して……
それからテーブルに原稿を広げた彼女、蝦夷リーラはマイクのカフをあげて、放送を始める。
当たり障りのない、少しだけ時代遅れのポップソングが電波に乗って流される。
彼女が喋ることも当たり障りのないことだ。
例えば、お便りボックスから、彼女宛に送られてきたハガキを読むことだったりだ。
ここに、彼女がいた。リーラ。それはライラックの花からとった名前であり、
花言葉は「忘れないで」
彼女は、ここにいたことを、今もいることを、周囲に毎日訴えているのである。
こんな世界で……。
後半、ちょっとショッキングな事実が発覚するのですがー……
何がショックかって、彼女の名前なんですよね。
蝦夷。つまり、北海道のの地名。だから少なくとも、ここは日本である可能性があるわけですよ。
切実に自分の声を届ける人。
その声を、待っている人は、この世にいるだろうか?
ご一読を。