“物語”に誇りを持つ、少女の舞台に刮目せよ
- ★★★ Excellent!!!
キャラの設定が好きすぎて読む手が止まらないです。
(以下、追記です)
この作品の感想をあえて一言であらわすならば、とりあえず全人類一旦読んで!です。
キャラクターがとても魅力的で、それぞれの心情も繊細かつはっきりしており、読んでいて飽きが来なかったです。それに物語の構成も素晴らしく、常に続きが気になり、いざ読み終わってしまうと満足感と共に、ある種の喪失感が芽生えました。
……一言では無理でした、すみません。
『剣の街』という体の一部が機械化された剣闘士達は、それぞれ物語を背負っています。
童話モチーフの戦闘スタイルで、主人公はガラスの義足を持つシンデレラ。
その義足にも仕掛けがあり、話を追うごとに戦い方が進化していきます。
その戦闘描写も的確で分かりやすく、頭の中でサンディが華麗に舞う様子が自然と浮かんできました。
また先にも述べましたが、キャラクターの魅力がとてもすごい!
対戦相手がサンディとの激戦を終え、彼女に心を動かされて味方になっていくんです。
彼女の言葉と舞台での立ち振る舞いに、私も心が震わされ、何度か鳥肌が立ちました。
また、キャラクター同士の対比や掛け合いもすごく胸に刺さりました。
互いに母親をトレーナーに持ちながらも、母の夢のために戦うラプンツェルと、自分の夢のために戦うシンデレラ。
舞台に上がるため、自ら脚を失う事を決意した人魚姫と脚を不慮の事故で失った事で、舞台に立つことになったサンディ。
特に、ラプンツェル(アンナ)との普通の少女達のような掛け合いのシーンは微笑ましかったです。
(人魚姫のライブを見に行った回は、私の中で神回だと思っています。)
マザーとサンディは実の親子ではないものの、互いに信頼し合い重ねた歳月は、血の繋がりなどどうでもよくなる程かけがえのないものだと思います。
それゆえに最後にサンディが下した決断は、私にとっては寂しく感じました。
しかし、2人にとっては互いを信じているからこそ、その決断を受け入れる事ができたんだと思います。
履くことができなかった白い靴でも戦闘用のガラスの靴でもない、いつもの白いスニーカーを履いて旅立つサンドリオン。
彼女のこれからの物語が幸せである事を願います。
再編集版も投稿されており、これから設定集も紹介していただけるとのことなので、まだまだこの物語の観客席に残れる事ができて嬉しいです!
この作品の魅力はまだ書き足りませんが、私のレビューよりも本編を読んだ方が一番なので、ここまでとさせていただきます。
素敵な作品を公開してくださり本当にありがとうございます!