真面目に生きましょう?

ヨイクロ

第1話

 清くも正しくもない生き方に対して、誰しもが嫌悪感を抱くわけじゃない。そういった行いが他人に対してどのような不利益を生み出すのか、自分にどういった形で不利益が帰ってくるのか。そういったことに思慮を巡らせられない愚者は嫌悪感を抱けないのだ。


 別に私はそういった人達を否定するわけではない。なぜなら、そういうを起こすという判断を各々で下しているわけなのだから、私が否定するなどおこがましい。


 ただ、嫌いだなぁ……とは思うが。


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 私は、今年で小学校に入って5年目です。


 今では、すっかりお姉ちゃんになったな、と思います。


 私は、下級生のみんなから頼られるお姉ちゃんになりたいなと思っていました。だから、わたしはいつでも『』であるように努めていました。


 校舎の中で走ってたり、ボール遊びをしている子がいたら、先生に言いました。チクチク言葉を使っている子を見かけたら、注意しました。


 私はいつもルールを守り、授業の時間には絶対におくれませんでした。


 でも、なんででしょうか?下級生の子たちからは、なんだか嫌われている気がします。


 とくに、男の子たちからです。悪いことはしていないのに、どうしてなのでしょうか?



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 私は、今年で中学校に入って3年目です。


 もう少しで受験ですが、何の心配もしていません。他の同級生や塾生は、ろくに自習はしていませんでしたし、なんなら、宿題だって答えを写している人が大半でした。そういった人々に私が負ける道理はありませんし、そもそも負けるつもりなどありません。


 とはいえ、天狗になっているつもりはありません。志望校は最初に決めていた県内トップ校ではなく、中堅まで落としました。直近の模試でも合格率は95%でした。首席合格だって夢じゃないですよ!


 明日は最後の体育祭なので、悔いの無いように、全力で楽しんできます!


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 私は、過去に気ままに書いた二枚の文章を読み終えた。


 意識は薄汚い自室に引きずり戻される。昔は輝いていた勉強机のLED照明はほたるにすら劣るようになり、参考書や問題集で埋め尽くされていた本棚は、床に伏して漫画と衣類に埋まっていた。


 ああ、あの頃の自分に戻れたらなぁと思うも、当時の自分の理想像が浮かんでは消えてを繰り返し、そのうちもやがかかって最後には自分が何を考えていたのかさえわからなくなる。戻れないし、戻りたくもないと、心の底で思っているからに違いない。


 清くも正しくもない生き方に対して、嫌悪感を抱かなくなってしまったきっかけは、恐らく......高校入試に落ちた時からだろう。

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