第33話
俺は梨紗に見つからないようにひっそりと教室をでた。梨紗は俺のことを見ていたが、すぐに周りに人が群がって、俺が視界から消えていたから、教室をでていったことを知らないだろう。今日はるなもの手料理だ。どんな料理を作るのだろうか?辛いのがいいなと思いながら、俺は屋上を目指した。
屋上に着くと、速く来すぎたためか、まだるなもは来てないようだった。俺は屋上から、運動部が運動するのを見ていた。
「お昼休みでもやるとか進学校で、活動する時間が少ないから、こいうった時間を有効活用してるんだろうな。それが県立でトップの進学校なのに運動部もそこそこ強い理由だろう」
少し眺めていると俺はコンクリートの上で、お茶をとりだし飲んでいた。やっぱりなにかを見てるときはお茶に限るよな。
少し経つと、屋上のドアが開いた。そこから入ってきたのはるなもだった。
「ごめん、遅くなったよね」
「そんな待ってないから、大丈夫だ。それより手料理を味わいたいから、早く食べようぜ」
「そうだね、はいこれお弁当ね」
「サンキュウ」
るなもは笑顔でお弁当を手渡してきたので、俺はそれを感謝しながら受けとる。そしてお弁当を開いた。麻婆豆腐丼と味噌汁とモヤシ炒めだった。
「俺の好物ばっかしだな。ありがたい」
「気に入ってもらえるといいなぁー」
「いざ実食してみるか」
まずは麻婆豆腐丼から口にいれる。痺れるような辛さもありながらも、辛さだけを追求してるわけではない。旨辛というやつだ。豆腐に味が染みていて美味しい。それとお茶と良く合う。
「美味しいぞ。これなら彼氏になるやつも気に入るだろう」
「透先輩からのお墨付きをいただいたら、きっと大丈夫だろうね。....本当は透先輩のために作ってるんだけど、やっぱりあんなことがあったから、察してくれないよね」
なんかるなもは言っていたが、まぁ悪口じゃないだろうから、口を挟むのはやめておこう。それから味噌汁とモヤシ炒めも食べたが、きちんた味が濃くついていたので、俺好みだった。才色兼備で、料理までうまいとは非の打ち所がないな。
それから夢中になってお弁当を食べたていが、やがて食べ終わった。
「ごちそうさま。かなり美味しかった。高校生でこの出来なら、料理番組にもでれるんじゃないか?」
「そうかな。でれるならでてみたいな。自分の出来がどの程度か分かるし」
「主婦と比べても謙遜ないと思うぞ」
毎日食べたいと思ったレベルだからな。まぁこれ口には出さないが。キモいと思われるかもしれないし。今の関係性を崩したくない。それだけるなものことは少し信用するようになった。好きなんじゃといった勘違いはしないけど。俺を打算抜きに好きになるやつはいないからな。
「そこまで言ってもらえて、嬉しい」
るなもはそう言って笑顔を見せた。その笑顔は目を細めた笑顔で、天使級のレベルだった。ひかりの笑顔並みに可愛く、さすがアイドルだと俺は思った。
それからアイドル活動の話を聞いて、一緒の時間を過ごしていた。るなもは楽しそうにアイドル活動について話してくれるから、こっちも応援しがいがあるなと思う。
「あ、もうこんな時間だね。そろそろ教室戻ろっか」
「そうだな、遅刻してもなにも言われないが、評価は落ちるからな」
俺達は互いに分かれて、教室に戻った。るなもは別れるときに手を胸の前で小さく振っていて、可愛いなと思った。るなもほど可愛い生徒はこの学校にはいないだろう。
教室に入ると、周りの視線が俺に集中する。ほんと態度変わりすぎだろこいつら。俺のことを嫌がらせしてきた奴らは憎々しそうに俺を見ていた。まぁ今の俺をみたら、なにもできないだろうからな。
俺は席に座ると、次の授業の準備をしていると、机の中に、なにか入っているのを見つけた。俺はそれを取り出し、開いた。体育館裏で待つという果たし状だった。
これを無視すると、今度は教室でなにかまた起きそうだから、行くしかないか。
俺はそれをバックにしまい、授業を最後まで受けて、体育館裏まで向かった。
体育館裏に着くと、まだ誰も来ていなかった。何をされるのか不安だが、昨日の今日だからまたバカにされる感じか、調子にのるな的な感じだろう。そう思っていると、この学校の生徒じゃない制服を着た数名と県立千葉の制服の男一人が来た。たしか不良で有名な奴だよな。県立千葉は不良が少ないので、すぐに有名になるから、分かる。
「何で違う学校のやつがうちの高校に入れるんだよ。警備ザル過ぎない?」
まぁ自由な校風だから、そんなこと起きないだろうみたいな感じで、緩いんだろう。すると同じ学校の不良が俺を見てきた。
「お前か?四条透ってやつは」
「そうですけど、貴方は鉄棟薫先輩ですよね」
「俺の名前はやはり広がっているんだな!」
なんか嬉しそうだな。悪評ばっかしが広がっているんだが。
「早速本題に入らせてもらう。お前が俺の妹に手を出したんだな。だからぼこぼこにさせてもらう」
なんのことか分からんが、ここで否定しても意味はないだろう。鉄棟先輩は確信してるように言ってるからな。
「うちの妹は中学生なのにそれに手を出すとは許せない。お前をぼこぼこにして謝罪をさせる。そして、中学生に手を出したことを広めてやる」
めんどくさいな。俺はこっそりカメラを起動した。こんなことも起こるかと思い、持ってきていたのだ。あっちからしたら肩を触ったぐらいにしか見えないだろう。そして一発腹に殴られた。
「お前ら何をしているんだ?」
爽やかで貴族のような立ち振舞いをする男の人が俺の前に立った。確かあの人は。
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