濃い影の落ちる帝都を舞台に、下っ端にすぎなかったはずの朴訥な少年が物語の中心へと巻き込まれて行く様子が見事に描かれています。 少年が出会った記憶喪失の美少女が、色々教わりながら暮らしに馴染んでいくと同時に、不思議な一面も際立ってきたり。 地下鉄に出現する化け物の恐ろしさが、描写されるたびに明らかになってきたり。 面白さだけではなく、読者を捉えて引きずり込むテクニックも感じさせます。 読んでいて、続きに期待と信頼を持てる一作です。