第14話 ②ドワーフは加工の天才

 まず、砲台にする台座を回転できるようにするという命題に、テレサとドワーフの製造チームは取り組んだ。

「直径5mほどの台座を作りたいです。底の面には2本のレールを敷きます。

 直径は5cmぐらいの鉄の棒を使い、断面は角を少し落とした四角形です」

「当然円形にするんだな」

「そうです。加工できますか」

「円柱のジグを木で作って、それに沿わして行けばどうにかなるじゃろ」


「そのレールの表面に木炭を熱くまぶし、赤熱するまで温度を上げて10分。急冷します。」

「そうするとどうなるんじゃ」

「表面だけが硬くなるので、耐久性が上がります」

「そんなことが」


「2本のレールは裏に厚さ5mmぐらいの鉄板を貼り付けます。」


「直径5cmぐらいの鉄の球は作れますか」

「できるが、どのくらい真円の必要があるの」

「できるだけ」

「それも、炭をまぶして赤熱するまで温度を上げて10分。急冷します。」

「おー、それをレールの上に並べるんだな」


「たぶん、これべ砲身を人が簡単に押して回転できるようになります。

なので、ロック機構が必要です。」

「考えてみるわ」


〇×△


 1週間後、出来上がってきた。

「最高ですね」

「いや、磨くの大変だったよ。焼き入れした後の鉄って全然磨けないんだな。

いい経験をした」

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