心温まるジュブナイルxホラーの傑作

本作は5,000字ほどの短編ですが、少ない文字数のなかでも構成がしっかりとしていて読みやすかったです。なかでも導入の部分について、いきなり本編に入るのではなく、何気ない日常会話からメッセージというキーワードが巧妙に導かれ、読者を自然に過去の回想へ引き込む手腕は見事でした。

死者からのメッセージ、SNSの通知音、SNSへの投稿が恐怖と哀しみを同時に喚起する仕掛けになっていました。特に「【今から会えない?】」が再送信され、「【待ってるよ】」と変化していく場面の恐怖演出は秀逸で、デジタル時代の心霊現象を感じさせつつ、しかし良い意味で読者を裏切る形で物語が展開していくため、読後には切ない余韻が残りました。

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