五感を存分に使って夏を描いた連作だと感じた。視覚(青空・向日葵・夕焼け・光る海)聴覚(波の音)嗅覚(夏の香り)味覚(焼き鳥)まで揃い、季節感が濃く立ち上がる。自由や届かないものへの思いも交えて、単なる風景描写を超えた奥行きがあり、緑や光の描写が瑞々しく、読後に夏の空気が胸いっぱいに広がるようなどこかに出かけたくなってしまうような素敵な連作でした。