第23話 小高い丘の上の赤い屋根の家 1日目その2
AM 10:05 小高い丘の上の赤い屋根の家東の森
「ある日の朝、彼女は野菜の蓄えが無くなったので森に採取に出かけた。丘を中心に森は四方に広がっているが、彼女は東側の森の一部で畑を作り作物を育てていた。まずは丘に最も近いトマトを採取し次にレタスを採取するために東に向かって歩いていると、正面に人影を見つけた」
「まあ!あなたはどこから来たの?」
「彼女からの問いかけに正面に立つ人物は答えた」
「東の方から来ました」
不正解の音は鳴り響かない。
「そうなの。私初めて自分以外の人を見たわ。きっと遠くの国から来たのでしょうね。この近くには私の家以外に民家がないから良かったら泊って行ってね。そちらの女性の方も」
「ありがとうございます。それではお言葉に甘えさせていただきます」
「お気遣いいただきありがとうございます」
「チェックポイント」
「旅人と思われる2人の人物は野菜を担いだ少女に連れられて東の森から小高い丘の上の赤い屋根の家を目指していた。道中、少女が自己紹介をしていないことを思い出して、こう言った」
「ごめんなさい自己紹介がまだだったわね。私はウミ。あそこに見える小高い丘の上の赤い屋根の家に1人で住んでいるの。前はジィジが一緒に住んでいたんだけど半年前に病気で亡くなってしまったの」
「そうだったんですね」
「お1人で大変ですね」
介入ポイントかは不明だったが不正解の音は鳴らなかった。
やがて丘を登ると家の方に辿り着いた。
「小高い丘の上の赤い屋根の家に着くと、ウミは家の中を案内した」
「家の左手が台所、トイレとお風呂もあるわ。右手はリビング兼寝室ね」
左手が4畳、右手は8畳ほどの大きさで仕切りはなく1つの部屋となっていた。
「2階がジィジの眠っていた寝室で今は物置になっているけれど、ベッドの予備もあるからお2人で眠れると思うわ」
「「ありがとうございます」」
「そうだわ!おなかが空いているでしょう。すぐに料理の支度をするわ」
「そういうと彼女は左手の台所で料理の支度を始めた。それからしばらくの間、旅人の2人は2階の部屋で思い思いに時間を過ごした」
「チェックポイント」
AM 11:30 小高い丘の上の赤い屋根の家2階
僕たちは、2階に荷物を下ろしベッドを整えて滞在が可能な状態にした。
ナレーションの続きはまだ始まっていなかった。
「なあ、テンジョウ。この物件の秘密は何だと思う」
「そうですね。今の段階では大雑把な推測しかできませんが、森と丘しかないこの場所なので自然に影響を与える物件か、あるいは彼女の身の上を考えると自立的に生活していくための補助を行っていることあたりが推測されますが、現状持っている情報だけでは推測は難しいですね」
テンジョウは顎に手を置き考えるような仕草でそう言った。
すると
「旅人の皆様ご飯の支度が出来ましたよー」
ウミが僕たちを呼んだ。
「旅人たちはウミから食事ができた旨の連絡を受け、1階に降りてきた。リビングの机の上を見るとウミが作った料理が食欲をそそる匂いを放っており、空腹だった旅人は直ぐに食事にありついた」
実際ウミが作った料理はシチューやパイなどでどれもおいしかった。
「とてもおいしいです」
「ふふ…ありがとうございます。ところで旅人さん。この料理の食材はどこから持ってきたか分かりますか?」
「ええと…」
そういって台所の方を見渡すが冷蔵庫は存在しなかった。小麦粉や野菜はある程度常温保存も可能だから棚に仕舞っておいたのだろうか?
「台所の棚の中ですかね?」
ブー
不正解のブザー音が鳴り響いた。
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