第16話 防衛都市の家 5日目

PM 1:00

「さて、集まってもらったのは他でもないわ…」

「てか、ここである必要あるんすか」

 そこは1丁目の工場だった。

 ベルトコンベアなどが並んでいるところにパイプ椅子を並べて僕達は集まっていた。

「ええ、図書館の謎は解いたし、それに謎解きには私が必要でしょう?」

「1丁目のシールド集約場所は倉庫ですよね?ここに装置があるとは限らないんですけど」

「いえ、倉庫は調べたけど何もなかったわ。つまり消去法的にここに何かあるわ」

「そ、それにしても全員集まる必要はないのでは…」

「謎解きにオーディエンスは必要でしょう?」

 そう言うとカザキリはドヤ顔をした。

 こいつ時々見栄っ張りだよな。

「さて、まずここは何の工場かというと」

「バイク…ですかね」

 脇にバイクの車体があるので僕はそう言った。

「完成品がねえのが残念だがな」

 これはアライの台詞だった。

「そうバイクね。だけどこの工場は今動いていない。つまりおそらくだけれどこれは電力供給系のギミックね」

 そう言うとカザキリは工場内を歩き始める。

 僕達もつられて歩くとアライが先に口を開いた。

「おい!どうやらこれはヒューズが4つ足りてねえようだぜ。工場の中でヒューズを探して入れれば動くんじゃねえか?」

「…」

 カザキリは何も言わない。

「うっし早速1個あったぜ。おいお前ら、こういう筒みてえな奴をあと3つ探してくれ」

 そう言ってアライは全員に筒状の小さい部品のような物を見せた。

 しばらくすると

「あ、ありました!」

「あーしも見つけたっす」

「…これでいいのよね」

 と女性陣3人が声を上げた。

「おう、それで大丈夫だ。もらうぜ」

 アライが女性陣からヒューズを回収する。

「これを付けてっと、うっしこれで動くはずだぜ」

 アライがボタンを押すと、工場が動き出した。

「はは、どうだ風切。たまには俺も謎解きできたぜ!」

「……」

 カザキリは少し黙った後

「何よこんなの、謎解きじゃないわ物探しじゃない……」

 とぶつぶつ言っていた。


 最初にパイプ椅子を並べた中央に戻ると、目の前の大型装置が上に開き、下に通路ができていた。通路は暗くずっと下に続いていて果てが見えなかった。

「隠し通路かわくわくするな」

 とトモキが言った。

「それじゃあ、佐藤智樹それから碓井健太あなた達で探索してきなさい。ただし防衛前の18時には戻ること。分ってるわね?」

「はい」「りょーかい」

 僕達は返事をした。

「健太探検セットまだ持ってるか?コンビニにも置いてたから、あれ持って集合にしようぜ」

 僕はコンビニで探検セットと幾つかの携帯食料を念のためリュックに詰めて工場に戻った。


PM 2:00

 僕達は工場の地下を降りていた。

「なんか『田舎の十字路の家』思い出すな」

「あの時は犬に追いかけられて散々だったけどね」

 階段を下り切ったところにドアがあったので開ける。

 どうやら広い空間に出たようだが真っ暗で見えない。

「スイッチっぽいのがあるぜ」

 そう言うと「パチッ」という音と共に電気が付いた。

「すげーな」

 そこには鉄骨が所狭しと並んでいた。

「何に使うんだろうね」

 そう言いながら僕たちは奥に進むと、またドアがあった。

 ドアの上半分には窓が付いており、そこから向こうの部屋の様子が見えた。そこには昨日図書館で見たのと同じ装置が置かれており、が書かれていた。

「あれは是非とも手に入れたいな、しかしそれにしてもこのドア開かねえな」

 トモキと一緒にドアノブを押したり引いたりしてみるが、ドアは開かなかった。

「こんな時カザキリさんなら『神盛り探偵道具』とかで解除とかしちゃうんだろうけどね」

「あるいはサイカちゃんの大鎌かだな」

 しばらくドアと格闘していると視界に近くの鉄骨が倒れてくるのが見えた。

「トモキ、危ない!」

 僕はとっさにトモキを庇った。

 ガァンガラガラガラガァンと鉄骨が倒れるような音が聞こえたおそらくドミノ倒しのようになってしまったのだろう。

「ケンタ大丈夫か?」

「うん、何とか大丈夫」

幸いにして鉄骨は直撃しなかった。しかし

「入り口が……」

 入り口のドアが鉄骨によって完全に塞がってしまった。

 僕たちは完全にこの空間に閉じ込められてしまった。

「ケンタあぶねぇ!」

 トモキの声に後ろを向くと倒れていなかった鉄骨が僕めがけて倒れてきた。

 衝撃があり…僕は意識を


PM 6:30

[カザキリサイド]

 ……遅いわね。

 時計台広場、薄井健太と佐藤智樹を除く4人が集合していた。

「工場の方の探索で何かあったんすかね」

 それにしても連絡1つ寄こさないということは電波が遮断されている可能性もある、うかつだった。17時くらいに様子を見ておくべきだった。しかしもう防衛が始まってしまう、今はこの人員でフォーメーションを敷くしかない。

「時間がないわ。今いる人員でフォーメーションを敷きましょう。一旦、新井健、無情彩香あなたは私と組んで、中央に陣取って東西南北それぞれから敵が来たら状況に応じて分散しましょう。そして戸田唯、時計台は、頭上攻撃を回避するために最寄りの民家のリビングに移動して置いたけれど、最終防衛ラインとして民家内を護衛しなさい、リボルバーはあるんでしょうね」

「ここにありまっせ」

 そういうとリボルバーを見せつけてくる。

「オッケー。では質問タイムね

 質問⑤:襲撃以外で街中にヒューマロイドが隠れていることはあるかしら?あるいは装置の防衛システムとして致死性のトラップが配備されていることはある?」

 これは薄井健太達の置かれている状況を把握するための質問だった。

「回答5:街中にヒューマロイドは隠れておりません。あくまで襲撃時のみ街中に存在します。また装置の防衛システムとして致死性のトラップは存在しません。ただし、何らかのトラブルにより結果的に死に至る。または行動不能となるようなギミックは存在します」

 そういうと音声は切れた。

「みんな聞いたわね。薄井健太達はここにいないけれど死んでいる可能性は低いわここを乗り切ったら探しに行きましょう」


PM 7:00

[カザキリサイド]

 ビービー

「WAVE1 1丁目北東にレベル1人型ヒューマロイドが5体出現。直ちに防衛に向かってください」

 レベル1だけね。

「新井健、無情彩香あなたたちはここで待機、緊急事態があれば連絡するからこのWAVEは私一人で乗り切るわ」

「で、でもよ」

 新井健が何か言いたそうにしていたが無視して自転車に乗り込む。


 しばらく探すと人型5体を見つけた。

「オペレーション、モードオフ!」

 坂井真理の声で言った。人型が機能停止する。

 自転車に跨ると時計台広場にそのまま向かう

 今はとにかく、効率的に殲滅していくしかない。


PM 7:20

[カザキリサイド]

 ビービー

「WAVE2 

 1丁目北西にレベル2犬型ヒューマロイドが1体、

 3丁目南東にレベル2犬型ヒューマロイドが1体、

 1丁目北東にレベル3狼型ヒューマロイドが1体、

 出現。直ちに防衛に向かってください」

「これはまた随分と広範囲だな」

「ワシに任せーい!!」

「そうね狼型が来るからそのつもりだったわ。まずは北東に向かって……」

「そんなまどろっこしいことはせん!どうせこの家に向かってくるのであろう?ならば面白いものを見せてやる」

「ちょっと!指示に従いなさい」

 サイカちゃんの肩を掴んだけれどビクとも動かなかった。

「ワシに指示するでない!いいから見ておれ」

 しばらくすると犬型と狼型が近づいてくる音が聞こえる。

「来おったな?」

 サイカちゃんは時計台のある民家の屋上に、大鎌を構えた状態で片足で立っていた。

「サイカちゃん流奥義その2

 災 禍

  ×

 繚 乱

その掛け声とともに旋風が吹き荒れ、家の周りにいた犬型と狼型がバラバラになっていた。

「【Lv2】ヒャハハ相変わらず脆いのう?ちなみにこの技を使うと災禍レベルが1上昇する。今のサイカちゃんは普段よりもっと強いぞ?【Lv2】」


PM 8:20

[カザキリサイド]

 ビービー

「WAVE3

 1丁目北にレベル4狩人型ヒューマロイドが4体出現。直ちに防衛に向かってください」

「ここはあーしの出番……」

「【Lv2】下がっておれ【Lv2】」

 サイカちゃんが再び屋上まで跳躍する。

「【Lv2】ふん【Lv2】」

 飛んできた矢を鎌ではなく腕を振っただけで落とした。

「【Lv2】あそこか?【Lv2】」

 矢を飛んできた方をベランダから見ると200Mほど先に狩人型が4体いるのが見えた。

「【Lv2】今日は技のオンパレードじゃな!サイカちゃん流奥義その6

 真

   空

 波

【Lv2】」

 その掛け声とともに鎌をふるうと風の刃が出来上がり狩人型に向かった。

 風の刃が狩人型に当たると跡形もなくバラバラになった。

「【Lv2】ワシ1人いれば十分じゃな!!【Lv2】」

 サイカちゃんが余裕の笑みを浮かべている……ってなんで私こんな解説ばかりなのよ。本当にサイカちゃんのターンになっちゃってるじゃない!


PM 9:25

[カザキリサイド]

 ビービー

「WAVE4

 4丁目西にレベル3狼型ヒューマロイドが2体、レベル5熊型ヒューマロイドが1体出現。直ちに防衛に向かってください」

「熊型っ!」

「【Lv2】歯ごたえのありそうなのが出てきたのう!!【Lv2】」

「ふー…薄井健太達は不要そうね。いいわ、サイカちゃん言わずもがなだけど、好きに暴れなさい」

「【Lv2】ガッテン承知ーーー!!【Lv2】」

 サイカちゃんが西の方にとんでもないスピードで向かっていく。

「新井健、念のため私たちも向かうわよ」

「……おう」

 新井健の顔がどこか落ち込んでいるように見えた。


 4丁目の西では狼型が2体と、大柄なシルバーの熊のようなヒューマロイドがサイカちゃんと対峙していた。

「【Lv2】斬、斬【Lv2】」

 そう言って大鎌を振るうと狼型2体がバラバラになった。

「【Lv2】斬!【Lv2】」

 熊型にも鎌を振るったがヒビこそ入ったものの完全には刃が通っていなかった。

「ヴォオオオオーウ」

 熊型が吠えると爪で攻撃してくる

「【Lv2】ちぃ【Lv2】」

 当たりそうな攻撃はサイカちゃんが大鎌で防いだ。

 当たらなかった攻撃は街の消火時の放水器に当たった。

 その衝撃で放水器から水が噴出する。

 プシャーーーー

 その水がサイカちゃんを覆った。

「あ、あれ何で私?」

 サイカちゃんの様子が変わった。あれはまるで無情彩香。ということはここの水には治癒効果がある?

「ヴォオオーウ」

 熊型が再びサイカちゃんに攻撃を仕掛ける

「危ない!新井健!」

「言われなくてもぉ!」

 新井健がサイカちゃん…いえ多分無情彩香と熊の間に両手にシールドを着けた状態で割って入った。

 一瞬で両手のシールドが消滅した。

「耐久力80減少だと!?」

 続いてくる熊型の攻撃を間一髪で無情彩香を抱いた新井健が避ける。

 熊型の攻撃を無情彩香に当ててサイカちゃん化させる手もあるが下手したら死にかねない。

「新井健、もう一度安全ピンで無情彩香に傷を付けなさい」

そのタイミングで

 ビービー

「WAVE5 4丁目西にレベル2犬型ヒューマロイドが5体出現。直ちに防衛に向かってください」

「WAVE5!?」


 出現した犬型が早々にこちらに向かって走ってくる。

 仕方ない戦闘向きではないけれど私もやるしかない。

「神盛り探偵道具 『ヘアピンなめんなし』!」

 殺傷力のあるヘアピンを熊型に向かって投げ、注意を引き付ける。

「ヴォオオーウ」

 熊型が私の方を向いた。

「新井健!さっさと無情彩香に傷を付けなさい!」

「分かってる…けど安全ピンがねえんだ」

「爪でも何でもいいでしょう?早く!」

 そう言ったタイミングで犬型が新井健と無情彩香の間に割って入った。

「くそっ」

 その衝撃で無情彩香の腕に若干の裂傷が刻まれたが、気を失っているのかサイカちゃん化する気配はない。

 私は熊型から逃げるので精いっぱいだった。状況は万事休すとなった。


PM 9:25

[ケンタサイド]

「う、ううーーん」

「ケンタ!目を覚ましたか。」

 目の前にトモキの顔があった。

「トモキ。そうか僕達工場の地下で…」

「ああ鉄骨に阻まれちまってる、頭に包帯は巻いておいたんだが」

 そう言われて頭を触ってみると確かに包帯が巻いてあった。

「もう防衛は始まってる。スマホを確認したけど電波が通ってないらしい。急いでここから出ないと、とりあえずまず、あの装置を作動させよう」

 ケンタと2人で渾身の力をもって鉄骨を押しのけた。

 気絶前に開かなかったドアは鉄骨が当たった衝撃でひしゃげ、ドアが開くようになっていた。

「開いたな」

 トモキと装置の前に立つとこう書かれていた


防衛都市の足

このレバーを引くことによって防衛都市の4か所に高性能のバイクが出現します。


「バイクはここにあったんだな」

 僕は迷わずレバーを引いた。


PM 9:50

[カザキリサイド]

「ヴォオオーウ」

 なんとか熊型の攻撃を躱す。持ってきたシールドは既に消滅してしまった。

 新井健たちの方の様子は分からなかった。

 時計台のある民家の方ではバンバンと銃声が聞こえたから戸田唯が応戦しているのだと思う。

 4丁目の病院はこの近くにあったはず。そこでシールドを補充しよう、と思っていると。

「防衛システム①:防衛都市の足が発動しました」

 そのアナウンスと共に「ゴゴゴゴゴ」と防衛都市が揺れるような衝撃が伝わってきた。

 『防衛都市の足』何のことかしら?と思ったけれども気にしている余裕はない。病院の方を目指して走った。熊型が飛びかかってきたので慌てて避ける。

「きゃあ」

 熊型がぶつかったブロック塀が粉々に砕けた。

 足を挫いたのか立つこともままならない。


 その時

「やれやれ、女どもばっかカッコつけやがって」

 新井健の声が聞こえた。

 熊型の注意がそっちを向く。私もそちらを見ると新井健が白地に青色のラインが入った近未来を連想させるバイクに跨っている。

「不良の乗り物といえば、バイクだって相場が決まってんだよ」

 そう言うとバイクが熊型に向かった、

「くらいやがれ!」

 すれ違うタイミングでバイクの側面から、光り輝く高圧縮のレーザーブレードのようなものが出現し、熊型を切り裂いた。熊型は完全に動きを止めた。

「ざっとこんなもんだぜ」


PM 9:50

[アライサイド]

 結局女どもばかりじゃねえか活躍してるのは。

 俺は指示通り満足に目の前にいた無情に傷付けることもなく、一番危険な熊型のロボは、風切が注意を引き付けてくれたおかげで比較的ぬるい犬型の相手をすることになった。2体ほど逃がしたが、銃声が聞こえて振り返ると動きを止めた犬型が2体転がっていた。戸田だろう。あいつ今のところ100発100中じゃねえか。

 犬型を金属バットで無効化すると音声が聞こえた。


「防衛システム①:防衛都市の足が発動しました」


 その音声と共に目の前の道路に、白地に青ラインの近未来的な単車が現れた。単車、懐かしいじゃねえか。ここに来る前はあちこちでブイブイ言わせてたぜ。

 無意識に跨るとハンドルの間にある液晶が付いた。そこにはこう書かれている

 

高性能出力ブレード:ハンドル脇のボタンを押すと、バイクの側面から幅2Mの殺傷性の高いブレードが出現します一度使用した後は24時間のチャージが必要。


 よく見ると単車が出現した地面にガソリンの給油と何かしらの補充用のケーブルがつながっているのが見える。

 だがとにかく今は、風切を追いかけてった熊型を始末しなけりゃならねえ。風切はおそらくシールドの補充で病院を目指しているだろう。俺も急ぎ病院に向かわねえと。

 そう言って俺は単車を走らせた。


 病院を目指すと風切と熊型がいた、風切は腰でも抜かしているのか、その場に座り込んでいる。風切がこっちを見て『なんでお前がバイクに乗ってるんだ』みたいな顔をしていたから言ってやった。

「不良の乗り物といえば、バイクだって相場が決まってんだよ」

 単車では通じねえだろう。ご丁寧に『バイク』と言ってやった。

 ぶっつけ本番だが『高性能出力ブレード』とやらを使うしかねえ。ハンドル脇のボタンを押して熊型の方に突っ込む

「くらいやがれ!」

 ギリギリまで寄せてから熊型の脇を走ると面白いくらいにスパッと熊型が斬れた。

「ざっとこんなもんだぜ」

 風切の方を見て言ってやった。


PM 11:00

[ケンタサイド]

 ピンポンパンポーン

「本日の敵勢力の進行が停止しました。防衛お疲れさまでした」

 

 時計台の広場の前、ではなくその脇の民家のリビングに全員が集まっている。

 僕はトモキと何とか鉄骨を押し出して外に出れた。

「みんな、防衛お疲れ様。薄井健太、佐藤智樹なんとか脱出できたのね。事情は後で聞くけれど『防衛都市の足』はあなたたちのおかげなのね?」

「おう!なかなか大変だったぜ」

 トモキが言った。

「そう、防衛に関してMVPは新井健だけれど」

 とカザキリが言うと

「ワシだって頑張ったぞ」

 とサイカちゃんが言った。

「あなたは肝心なところでいなくなってしまったので準MVPね。とはいえ薄井健太と佐藤智樹の活躍がなければ新井健の活躍はなかった。それに戸田唯も犬型を始末できなければ防衛は失敗だった。そう考えると全員MVPと言い直した方がいいかもしれないわね」

 そこでカザキリは言葉を区切った。

「さて、明日以降は引き続き防衛都市変換装置の探索だけれど、今日みたいなことがあったから探索チームとそのチームが無事であるか確認する部隊を作るわ。…あと、無情彩香」

「は、はい」

 直前に絆創膏で戻されたムジョウが応えた。

「あなたは防衛が始まったら安全ピンで指先を傷つけなさい。目が覚めて防衛が続いていたらその時も安全ピンで傷つけなさい。安全ピンがないなら爪で腕をひっかきなさい」

「ひ、ひいいいい。な、なんでそんな自傷行為を強制させられているのでしょう?あ、も、もしかしてこれは遠回しに自殺しろということでしょうか……」

「言ってないわそんなこと。とにかく防衛に必要なことなのよやってくれるわね?」

「は、はい」

「よし、じゃあ今日のところは解散よ。明日こそルールの確認もやるから」

「ワシの存在がルールのようなものじゃがな!!」

「ちょっと!今自傷しろとは言ってないわよ!……って聞こえてないのね、戸田唯」

「はいはーい」

 そう言うとトダユイはサイカちゃんの腕に絆創膏を貼った。

 サイカちゃんは消える直前。

明日あすはワシが更なる覚醒を見せるから楽しみにしておれ!!」

 と誰に向かってか分からないセリフを言った。

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