第2話調査
あの夜から三日間、まともに眠れなかった。
少女と駅員の顔が、何度も夢に出てくる。
眠りの中でも、赤いランプの点滅がまぶたの裏に焼き付いていた。
耐えられず、私は踏切近くの古本屋で町の郷土資料を探した。
埃をかぶった新聞の切り抜きが出てきた。
「踏切事故、少女即死」
記事には、名を佐伯
肩までの髪、白いワンピース。間違いない。
だが、私はそこで妙な違和感を覚えた。
写真の少女は、あの駅員にも似ていた。
念のため、その踏切の管轄駅へ行ってみた。
あの夜の駅員を探したが、誰もそんな人物は知らないと言う。
勤務記録にも、その時間帯の当直は「不在」になっていた。
帰ろうとしたとき、駅員の一人が小声で教えてくれた。
「…20年前、あの子のお母さんが、この駅で駅員やってたんですよ」
私は背筋が冷たくなるのを感じた。
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