独白じゃない
ずっと死にたかった。
ずっと生きたかった。
おそらく成就不可能なこの二つの願いが俺の人生だ。
俺の生き様だ。
なんて様だ。
なんて体たらくだ。
世間体が悪いなんてもんじゃない。
クソッタレと言ったって俺が垂れる糞じゃないか。
はぁ、いや、もうこんな話はやめよう。
こんな話をしていたら死にたくなっちまう。
そうだな、こんな話はどうだ?
俺以外の人間全員死んだら、皆殺しにしたら、俺は何をすると思う?
って、これじゃあんまり変わってねぇな。
まぁいいか、どうせ全部気晴らしだ。
気を晴らすための行動だ。
さっきの問いに戻るか。
そう、俺以外全員死亡。
おもしれぇだろ?
本来なら入れないところにでも入ってみるか?
咎められない盗みでも働いてみるか?
毎日が歩行者天国でありながら車も自転車もバイクもバスも縦横無尽に走らせられる。
そういうことをしてみるのもいいかもな。
けどな、俺が思うにそんなこたぁできない。
する前に死んじまう。
さぁ大暴れしてやろうって久しぶりに家を出たら、その瞬間に死ぬ。
熊にでも腹を貫かれるか?
雷が俺の身体を切り裂くか?
どっちでもいい。
なんでもいい。
つまり俺が言いたいのは人ってのは簡単に死ぬってことだ。
俺が思うに人は頑丈でありながら脆すぎる。
頑丈さが時に脆さになる。
あぁ、こんなことを言っても戯言にしか聞こえねぇか。
いいんだいいんだ、社会に適合できなかった悲しい人間の戯言だと思ってくれても。
そんな風に思ってくれていたって問題ないんだ。
まぁ頭の隅にでも残しといてくれよ。
人の脆さはピンチの時とチャンスの時に見える。
おいおい、これは独白じゃねぇんだ、なんとか言ったらどうだ?
なぁ、国枝礼賛。
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