六年ぶりに再会した内気な後輩の距離感が近すぎる件~巡る季節に癒されるデート三昧の一年間~
尾藤みそぎ
第1話 六年ぶりの再会
//SE あなたが薄く積もった雪を踏みしめて歩く足音
//SE 通行人の話し声
//SE 車が通過する音
//ヒロインの声色は基本的に内気で控えめな感じで
//驚いたように
「あれ……、先輩?」
//SE ヒロインが駆け寄ってくる足音
//嬉しそうに
「やっぱりそうだ、先輩ですよね!」
//必死に主張しようとするも空回りする感じで
「お、覚えてませんか? わっ、わたしですっ」
//きょとんとして
「え? 悪いけど誰か分からない、と?」
「せめて名前を教えてくれないと思い出しようがない、ですか」
//ハッとした様子で
「あっ、それはそうですよね……」
//SE 一歩近寄る足音
(ヒロインは顔をよく見てもらおうとあなたに向かって背伸びをする)
//以降、ここまでより近くからヒロインの声が聞こえる
//緊張しながらか細い声で
「わ、わたし……、先輩と高校の生徒会で一緒だったんです」
「先輩の一個下で、書記をやってた
//不安そうにしながら祈るように
「お、覚えていますか……?」
//ホッとした様子で
「あっ、思い出してくれたんですね。よかったぁ……」
「雰囲気が変わったから分からなかった、ですか」
//納得するように
「確かに、今はコンタクトレンズにしてますし、髪型も変えましたからね……」
「すぐには分からなくて当然だったかもです」
//申し訳なさそうに
「それなのに、自己紹介を飛ばして声をかけてしまって失礼しました」
「つい、気持ちが先走ってしまって……」
//赤面しながら
「……えっ、サイドテールが似合ってる? それに、すごく美人になった?」
//動揺しながらか細い声で
「そそっ、そんな……。わたし、高校の時から身長ほとんど変わってなくて、スタイルとかも全然良くないんですよ?」
「美人だなんて、褒めすぎですよぉ……」
「今の身長ですか? お恥ずかしながら、150センチくらいですね……。子供みたいだって思われてもしかたないくらいでして……」
「……それもチャームポイントの一つだと思う?」
「~~~っ」//恥ずかしそうに
「ううっ。ほ、褒められ慣れてないので、なんだか恥ずかしくて顔が熱くなってきちゃいました……」
「えっ。なにはともあれ久しぶりに会えて嬉しい、と?」
//囁くように
「そ、そうですね……。わたしも、とても嬉しいです……」
//SE 音響式信号機の音
//SE 足早に歩く通行人の足音
「よく考えたら、高校を卒業してからもう六年もたっているんですね……」
「わたし、なんだか感動してきちゃいました。だって、すごい偶然ですよね」
「六年間ずっと連絡する機会もなくて、お互いどこにいるのかも知らなかったのに。仕事帰りにバッタリ会うなんて……」
「なんと言うか、運命的じゃないですか?」
(あなたは頷く)
//嬉しそうに
「で、ですよねっ……」
//囁くように
「……運命の再会。ふふっ、素敵です……」
//SE 雪が降り始める音
「あっ。また雪が降ってきちゃいましたね……」
「……」//真剣に何かを考えるように
「せ、先輩っ。せっかく会えたわけですし……。わたし、もっと先輩とお話ししたいです」
「だから……」
「ちょっと、場所を変えませんか?」
//SE 千尋の足音
(千尋があなたのすぐそばまで近寄る)
//さらに千尋の声が近くなる
//囁くように
「先輩がこの後お時間あれば。……ですけれど」
(あなたはちょうど予定はないと答える)
//目を輝かせて喜びながら
「ほ、本当ですか? 嬉しいです……」
(千尋があなたを先導するように歩き始める)
「で、ではさっそく、寒さを凌げる場所に避難しましょう」
//SE 千尋が薄く積もった雪を踏みしめて歩く足音
「どこに行くのか、ですか?」
「とっておきのお店です。先輩もきっと気に入ってくれますよ……」
「さあ。雪が強くなる前に行きましょう」
//SE 雪が降る音
//SE 二人が薄く積もった雪を踏みしめて歩く足音フェードアウト
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