第9話 どんな可能性でも割と詰み

……私の彼氏も転生してるってこと!!??


私は彼が何に転生したのか、考え得る可能性を全て模索してみた。


転生先が人間でない場合。

彼氏は、今のところ何に転生しているか分からない。そこら辺の花かもしれないし、そこら辺の猫かもしれない。取って食われたらそれで終わり。


転生先が人間の場合。

もしヘレヨンに私の彼氏の存在がバレたらどうなるだろう。

きっと、この間みたいに殺されてしまうに違いない。


それに、もし彼氏の存在がバレなかったとしても。


仮にそこら辺の街の住民とかに転生してたら、


「キャー。彼氏くんかっこいいー!結婚してー!ちゅっ♡」


って他の女の人にやられちゃうかもしれない!!!


まずい!!

それはまずい!!!


急いで彼氏を見つけないと!!!


そう思ったが、同時に別の感情も芽生えてくる。


……本当に見つかるのだろうか。


考えてみれば、ただでさえこの王国だけでも何千、何万人といるのに。


そんな膨大な中から、本当に彼氏は見つかるのだろうか。


この世界全体の人間を探し回るのに、一体どのくらいの時間が必要なんだろうか。


一瞬目の前が真っ暗になる。でもその暗さは、一瞬にしてなくなった。


ううん。そんなことを言っている場合じゃない。仮に何千、何万時間かかるとしても、探すべきよね。

大好きな人だもん。


そして、私のやるべきことが決まった。


老夫婦の仇を取ってから彼氏を見つけ、2人で元の世界に戻ることだ。


……やること多すぎないか。

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