”没落令嬢”が路地裏で探偵に!? この設定だけで胸が高鳴ります。
過保護なメイド、理屈っぽい学者、生意気な妖精――個性派揃いの掛け合いは読んでいて思わずクスリと笑ってしまいます。
ロゼッタが悩めばリリアが全力で支え、オスカーとリリアが言い合いになれば、最後はロゼッタのひと言でふわっと収まる。
そんなお約束のやり取りがとっても心地よい。
けれどそれだけではなく、依頼を通じて人々の悩みを解きほぐし、彼女たち自身も絆を深めていく。
華やかな貴族社会を失っても、路地裏で築かれる小さな絆はどんな宝石よりも眩しいのです。
——事件の数だけ、人の優しさに触れられる物語です。
ロゼッタは財産と家族を一度に失ってしまった元令嬢。でも前向きなロゼッタは、メイドのリリアとともに何でも屋を始める。
ある日、妖精のティムと出会ったロゼッタは、「共感覚」の能力に目覚め、この力を用いて人々を助ける。
共感覚の凄さもさることながら、護衛でもありとても強いリリア、元図書館司書で博識なオスカーといった仲間たちの存在が実に心強い。
そんな仲間たちを結び付けているのは、ロゼッタの持つ優しさだ。
物語は次第に不穏な影を見せるが、それでもロゼッタの優しさは変わらない。特殊な能力よりも人柄がいかに大切であるかを示しているようでもある。
優しくほのぼのとした人助けの物語。あなたもいかがですか。