迷宮設置
「よし、ここから俺のダンジョンマスターライフの始まりだ!」
………
…なんて定番みたいなセリフを吐いたはいいが、
ダンジョン作りなんて何からやればいいんだ?
『まず、ダンジョンを設置する場所を決めます』
「ダンジョンを設置する場所?今いる洞窟がダンジョンなんじゃないのか?」
『現在マスターが居る場所は自然に出来た駄々の洞窟内です。ですのでモンスターも居なければ罠も存在しません』
「そうなのか…ってことは俺狙われ放題じゃん!」
『ここにダンジョンを設置しますか?』
俺は演算機からの問いに全力で答えた。
「設置する!!!」
…何も起きない…なぜだ
『ダンジョンを設置するにはマスターのクラススキル:迷宮設置を使用する必要があります。使用するには場所を決め使用すると強く念じる必要があります』
…そう言うことはもっと早く言って欲しかった。
ただ叫んで、俺がバカみたいじゃないか。
「まぁいい。強く念じるんだな。
念じるだけだから声なんて出す必要もないのだが、初めての発動だしお約束ってやつだ。
俺が
「おおぉ。これが迷宮設置、
改めて、ここが異世界なんだなと感じれた。
と、ダンジョンを設置をしたはいいものの。
「いろいろ感じられるようになったとは言え、結局現状は変わってないよなぁ」
ダンジョンマスター系の小説に出てくる主人公たちは何故あんなにポンポン考えが出てくるんだ?不思議だ。
まぁこんな時こそ演算機に聞くのが早いか。
「なぁ演算機。他のダンジョンはどんな感じに大きくなっていくんだ?」
『まずダンジョン・コアのみの場合。ダンジョン・コアが生成され迷宮設置を行います。設置後は自身を守る為の護衛を召喚します。その後は自身の魔力や大地の魔力を利用し罠の設置や更なるモンスターの召喚、ダンジョンの階層を増やしていきます。この場合ダンジョンの階層は平均的に10階層程です。魔力の豊富な場所である程、階層は多いです』
そうなのかまず護衛の召喚……はいいんだが、またまた気になることを演算機くんは言いやがりましたよ。
「ダンジョン・コアのみって何だ?それ以外の場合は何があるんだ?」
『それ以外の場合はダンジョンマスターがダンジョンを作り上げています。この場合、100階層程のダンジョンも存在します』
「ダンジョンマスター?俺みたい存在ってことか?いや、でもコアに人格なんてないんだよな?」
『はい。ダンジョン・コアに意識は存在しません。マスターが例外です。ダンジョン・コア発生時、早々に発見された場合やダンジョンが攻略された際、ダンジョン・コアに触れていた者に限定クラス:ダンジョンマスターを付与します』
「なるほど、コアとは別に操作できるようになるんだな」
意外と誰でもなれるんだな。にしてさっき100階層って言ってたよな。すごいな。
「とりあえず、わかった。まずは召喚…いきたいところだが、」
いろいろ感じられるようになってわかったが今いる場所は結構入り口に近い。
「最初に迷宮を広げて安全な空間を確保しよう。迷宮拡張!」
とりあえず、今は奥の方に伸ばして空間を作ろう。
少し伸ばしている段々と疲れてきた。
「ふぅ、なんか疲れてきたな。やっぱ初めてのことだし集中してたからな」
『いえ、それは単純な疲労だけではなく魔力を消費した事にも起因します。現在マスターの魔力量の30パーセント程を使用しました。』
「あっそうなのか。まぁ何も消費せずに
でも俺まだ10メートルぐらいしか伸ばしてないんだが。もしかして俺って魔力低い?
『…』
なんか演算機が反応した気がするが。
「まぁ、とりあえず広げられるところまで広げて魔力が切れる前に護衛を召喚するか。」
俺はさらに10メートル程伸ばしそこを起点に空間を広げた。
「ふぅ、まっこんなもんだろ。演算機、俺の残りの魔力はどれくらいだ?」
『マスターの残りの魔力量は20パーセントです。』
20か。だったら最後は召喚だな。
「何回召喚できる?そして何が召喚できる?」
『魔力を全て使えば最高でも4回です。召喚の対象はランダムですが、基本的に1度に込められた魔力の量や質によって変化します。現在のマスターの低い魔力、質では弱い魔物が出ます。』
なんかサラッと酷いことを言われた気がするが、気にしないでおこう。
「よし、じゃやるか。
発動した瞬間目の前に小規模な魔法陣が現れた。魔法陣から4体の背の低い人型モンスターが出たことを確認した後。
「あれっ…何だ、異様に疲れが、…視界が歪む。」
俺の意識はプツンと途切れた。
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