ステータス確認


「おーけーそういう感じね。確認する。」

 すると目の前に青っぽい半透明の板が浮き出た。


 ——ステータス——

 名前:なし

 種族:ダンジョン・コア

 称号:なし

 メインクラス:未設定

 固有能力ユニークスキル

  ・演算機

 —————————


「これが俺のステータスなのか。やっぱり人間じゃないんだな」


 そもそも自分がもともと人間だったのかもわからないけど。記憶朧げだし。いや、人間だったとは思うけど。


「名前がないのか。俺の元の名前は…やっぱりダメだな思い出せない。まぁ、もう生まれ変わったし人間じゃないからな。自分でつけるか!」


 と言っても、いざ自分で名前を考えるとなるとなかなか思い付かないなぁ


「ダンジョン・コアから名前をとるか…いやそれだと安直すぎるか?…やはりいっそのこと単純にコアだけとかでも…いやそれだとなぁ」


 俺はその後しばらく悩み続けたが思い付か無かった。何かヒントはないかと演算機にもいろいろ聞いてみた。


「なぁ、演算機さんよ。」


『何でしょう?』


「ここって洞窟内だからよくわからないんだが、今って時間とか季節的にはどんな感じなんだ?」


『現在の時刻は午前4時39分。季節は春です。』


「春か…」


 春、4月ぐらいってことか。…そう言えば4月はフランス語だとアヴィリルとか言うんだよなぁ。かっこいいよなぁ。


「…よし、決めた。俺の名前はアヴィリルだ。かっこいいと言う理由だけで覚えていた甲斐があったな。」


 ——ステータス——

 名前:アヴィリル

 —————————


「よし、ちゃんと変わってるな」


 て言うか今、朝4時ごろなんだなぁ。眠気はないが。人間じゃないからかなぁ。


「……ちょっと待て、さらっと今流そうとしたけどこの世界の1日の時間ってどうなってるんだ?他にも一年の長さとかいろいろ。」


『この世界の1日の時間は24時間です。1ヶ月が約30日程あり、12ヶ月で1年。1年は365日です。地域にもよりますが四季も存在します。』


「どうもサンキュー。1日24時間365日か。そこら辺が前の世界と変わらないのは楽でいいな。」


 まぁ、この世界の常識やら何やらは後にしてだ。ステータスに関していろいろ聞いていこう。


「この称号ってやつは何?」


『マスターの成し遂げた偉業、他者からの評価などを称号として可視化し得ることができます。』


 なるほど。よくわからんな。ゲームに出てくるやつに似たような物とでも考えておこう。


「まぁわかった。称号に関してはそれでいい。俺が1番気になってるのはクラスだよ。このメインクラスってやつは何だ。」


『自身に適性のあるクラスを設定できます。クラスを得るとクラスに必要な能力スキルや補正を獲得できます。マスターが現在設定可能なクラスはダンジョンマスターのみです。』


「なるほどつまりクラスはゲームとかで言うジョブとか職業みたいなやつか。そして俺がなれるのはダンジョンマスターのみ、か。」


 心情的には剣士になってバッタバッタと敵を倒してみたかったが、種族が種族だしなぁ。そもそも体ないし。側から見たらただの光る球だし。


 ん?そう言えばクラスなんだよな。と言うことはサブもあるのか?


『ございます。』


「うわっ!!えーっ。考えてただけでも反応すんの?」


 便利だけど、初見はビビるなぁ。

『ただし、現在マスターはサブクラスに設定できるジョブがないため表示されておりません。』


 あっそーなのね。まぁ、気長に待ちます。


「よし、じゃあメインクラスにダンジョンマスターを設定する。」


 —————————

 メインクラスにダンジョンマスターが設定されました。

 クラススキルを獲得します。

 —————————


 —————————

 以下の能力スキルを獲得しました。

 能力スキル:召喚、使役、迷宮設置、迷宮拡張、罠設置

 —————————


 おぉー、一気に関連する能力スキルを手に入れたな。


 ——ステータス——

 名前:アヴィリル

 種族:ダンジョン・コア

 称号:なし

 メインクラス:ダンジョンマスター

 固有能力ユニークスキル

  ・演算機

 能力スキル

  ・召喚 ・使役 ・迷宮設置 ・迷宮拡張

  ・罠設置 

 —————————


 ちゃんとクラスも能力スキルも獲得してるな。


 とりあえず俺はもう人間じゃなくてダンジョン・コアになっちまったからな。何か目的があるわけでも行く宛があるわけでもないからここに俺のダンジョンを作り上げてやろう。


 名前は…、後からでいいだろ。


「よし、ここから俺のダンジョンマスターライフの始まりだ!」

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