勇者を作る天使は悍ましいですか?
電子サキュバスショコラ・ケオスリャー
【第0話】天使が作るのは、勇者という名の消耗品。
「よし、今回もうまくいった」
私の仕事は、勇者を作ること。
神の不在を隠し、世界の均衡を保つために。
それが私たち天使の使命だ。
神はもう何百年も声を発していない。
だが人々は信じている――神は天にいて、見守っていると。
その信仰を守るために、私たちは存在している。
勇者は、神が選んだ者などではない。
私が設計し、形作り、運命を組み立てる。
性格も、出会う人も、死に場所も。
彼らは自分の意志で動いていると信じているが、すべては私の計算の中にある。
今回の勇者は「リオ」。
辺境の村で生まれ、母は出産翌日に亡くなる。父は酒に溺れながらも息子を愛する。
リオは剣を握り、魔王を倒し、二十歳で命を散らす。
すべて私が組んだ脚本だ。
だが、リオが森で助けた少女――リリア。
彼女の存在は、世界の記録に何も残っていない。
計画外の存在。
私の胸に違和感が走った。
彼女は何者なのか?
「天使が作るのは、勇者という名の消耗品。」
これが、私たちの現実だ。
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