水の中に、沈む。蒼く光るそこは大海原の水の中だ。白花の巫女の定めとして、自らと縁を結ぶ神を捜す少女。 水の中は美しく、優しい。まるで神の御心のよう。海の中の満月が、りん と鳴る。 りん りん りん 凛と。泡となる、月となる。見るもの全てが碧い闇に溶けて解けて光る。 温かくて優しい、母なる海。海月の呼ぶ海に、少女は深く沈んで行く。凛として。 けれど 水奈弥ノ神は、優しく諭す。白い花の幻想。いつか必ず相見えん事を。