第5話 私もサイコパス
「ふぅ……」
私は市民プールのサイド側にいた。
「……」
そして──。
「お、お待たせ」
水着を着た
「じゃあ、やろっか」
私が何故このサイコパスと蔑んでいるコイツといるのか……それは──。
◇◇◇
「だから嫌だって言ってるでしょ?」
「え」
「こっちが驚きたいから……アンタみたいなイカれた性癖をしているのといたくないの。分かる?」
私はあえて強く言う。
コイツは多分頭が悪いとか良いとかそんな常識の"ものさし"で測れない私類の変態なんだ。だから生物的に無理と断言しないと調子乗るんだよ。
「そっか──」
高砂君は少し残念そうにしている様子だ。
「そういうこと。じゃあ──」
「けど、梅宮さんみたく"気持ち悪い性癖"をした人にどうして
「!!」
話が逸れてるようで私の的を得る言い方──。
「わ、私の人格が良いから──」
「司さんは俺と梅宮さんは一緒だって言ったよ?」
「うぐっ──」
「同じ類のおかしい同士で仲良くなれるって」
「……」
コイツ──。
「アンタは友達がほしいの?」
「同じ趣味同士の付き合いがほしい」
なるほど──。
「つまりは"仲間"って訳ね」
「そ、そう──」
私がこの趣味を楽しく話せるのはお姉ちゃんと瑠美しかいない。てか、そもそも気兼ねなく話せるようなことじゃない。
「でも、私はアンタに沈められた。しかもいきなり。犯罪犯そうとしてるようにしか感じないんだけど?」
水に潜るのは好きだ。でも、無理やりやられるのは話が別。
「ごめん」
だから──。
「昨日はキレてたから最後まで話を聞かなかったけど……」
私は背を向けていた高砂君に向き直る。
「高砂君は私と具体的に何がしたいの?」
「!」
聞くだけだ。聞くだけ──。
「……ただ、"水の中で"遊びたい」
「は……?」
その言葉に私は少しムキになる。
「いやっ、遊びたいってあれが?"私で"遊びたいじゃなくて?」
「あ、それもある」
「……」
おいおい、次から次へと本音が漏れまくってんよ。
「俺は梅宮さんと一緒にいろんなことをしたい」
そう、ポツリポツリと言葉を繋げていってる高砂君を私は──。
「じゃあさ……」
「ん?」
「いろんなことをしたいって言うのは"水で"ってことだよね?」
「そうだよ」
腹立つくらい混じりっけのない瞳だ。
私の
「──分かった」
私は腹を括る。
「変なことはすんなよ?」
「え」
「高砂君ともう一度だけ遊んであげる」
「!!」
「ラストチャンスね」
これでまた、暴走すんなら──。
「やっぱ梅宮さんも俺と遊びたいんだね」
「殺すよ?」
子犬がはしゃぐようなほど嬉しそうにしてワクワクをぶつけてくる。正直、私も満更ではないんだよね──。
◇◇◇
そして今、私達はプールにいる。
「ありがとう」
「……」
高砂君が私にお礼を言う。
「別に」
私は素っ気なく返事をする。高砂君の為じゃなくて自分の為だから。
「じゃあ、少し歩こう」
「"我慢できない"って言って不意で沈めてこようとしたら……分かるよね?」
「大丈夫。ちゃんと確認を取る」
「そう言うことじゃねーよ」
呆れながら私達はストレッチを始める。
泳ぐ前は体をほぐしてからなのは変態にも万国共通。
「……」
その時、高砂君が私の体を見つめているのに気づく。
「えーとさ──」
「発言には気をつけた方が良いよ?変態といえど一線を超えられたら流石の私もやることやるよ?」
「……だよね」
(何を言おうとしてたんだよ!!)
私は心の中で叫ぶ。
「たださ、あの時は勝手に梅宮さんの体を触っちゃってごめん」
「……」
そう、頭を下げて高砂君は謝ってくる。
「別に良い──」
「肌がもちもちしていて水の中でも良い触り心地だったから本当に"水の妖精"みたいだった」
言った側からこの言葉を吐いてきた。
なるほどね……私の反応は──。
「み、水の女神ね////」
あぁ、何でここで凄く嬉しくなっちゃったんだろうか。
「あ、なるほど」
高砂君は態度を変えずに真顔で頷く。
(コイツにサイコパスだなんて言ったけど、同じ穴の狢……私もサイコパスなんだよなー)
心の中で恥ずかしくなる私。いやどこに羞恥を覚えてるのやら。
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