未来日々
裏表白黒
第1話 悩んでしまうミライ
私はミライ。
最近悩んでいる。
どうしても悩んでしまう。
悩むようになってしまった。
悩まず先へ進みたいがどうにも。
私はおだやか村に暮らす。
昔から悩みやすい。
例えば花に水をやる時にどこからしようとか。
右と左どちらから行こうかとか。
悩んでしまう。
悩みたくない!
悩む…ああ、もう、どうしたら!
でも、悩まないと!うん…!
私は今村の広場にいる。
広場に来たのは友人との約束のため。
まず、友人と会おうか悩んだのだが、約束をした。
まず、家を出てどこから行こうか悩んだ。
そこから道を転々として、広場に着いたのは夜。
友人は待っているだろうか。
いない。
と、思うのだが。
「あー。ミライ来たー」
そこには友人のアカリがいる。
「あ、アカリ!ごめんなさい!いつも!あのね、外には出れたの!でもね!暗くなってて!ごめんね!アカリ!」
「いいのー。私待つの好きだからー」
アカリはフワフワした猫耳少女だ。
優しくてかわいい。
「アカリ、眠いよね!?」
「えー。夜は眠くないよー」
「でもでも!ごめんね!!」
「いいよー。ミライ待つの好きー迷ってる姿見てたよー」
「それなら声かけてよ!?」
「えーやだー。楽しいからー」
「ええ!?」
私とアカリは夜。
カボチャに灯りがつく村を歩く。
「カボチャの灯りきれーいー」
「そうだね!綺麗だね」
「ミライといると夜の灯り見られるのーだからうれしいのー」
「でもいつもごめんね…アカリ」
「いいのいいのー。ミライはいつも花に水やりしてるから村は平和なのー」
おだやか村では花の水やりという役目がある。
私はその役目を生まれたときからしているが。
迷うこと多く、どの花から水をあげようと考える。
「花の水やり終わったー?」
「終わってないかな」
「終わってないのー?なら一緒行こうー」
私はジョウロを持っていた。
花の水やりにジョウロは必要だ。
なので、いつも持ち歩いている。
「え、アカリと!なら、終わる!いつもだけど!というかアカリ!私が迷ってるなら声かけてよ!?ね!?」
アカリはのんびり言う。
「やだー。迷うミライかわいいー」
「かわいい言われても何もないからね!」
「私ミライ好きー」
アカリは私の腕に抱きつく。
「アカリ!?」
「ミライはー?私好きー?」
「す、好きだよ。アカリのこと」
「わーい、ミライ大好きー!」
私とアカリは一緒に水やりへ行く。
それが私の役目でありつつ、友達と会いながらしていく。
アカリもすることがあるのだが、迷う私を心配して約束をしてくれたみたいだ。
とても優しいアカリだ。
私のことを気にかけてくれる。
私は村の花に水やりをしていく。
アカリがいると、私はあまり迷わない。
不思議だけどあんまり迷わない。
て、アカリのせいで迷うようになったともいえる。
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