009 第8話:上位への渇望
午前8時頃、デヴォラントは樹海から完全に脱出し、最寄りの駅へと向かった。
神崎優の身体に完全に同化し、優の記憶と知識を手に入れた今、次の段階に進む時が来た。世田谷区にある神崎家へ向かい、家族との接触を開始する。
山梨県から東京都への移動には時間がかかる。まずは電車に乗り、移動の途中で今後の計画を詳細に検討することにした。
朝の駅は通勤ラッシュの余韻を残しながらも、地方駅特有の静けさに包まれていた。自動券売機で切符を購入し、改札を通る。14歳の神崎優として行動することに、もはや違和感はない。外見、声質、歩き方、すべてが完璧に再現されている。
ホームで電車を待ちながら、デヴォラントは今朝の体験を振り返っていた。神崎優の捕食、残留思念の問題、自衛隊との接触。すべてが計算通りに進んでいる。
しかし、一つ気になることがあった。優の残留思念が予想以上に強く残っていることだ。これまで捕食した10人の記憶とは明らかに異なる、感情的なノイズが思考を阻害している。
(やはり、いじめグループの処理を最優先にする必要がある)
電車が到着し、デヴォラントは座席に座った。車窓から流れる景色を眺めながら、効率的な移動ルートを検討する。
◇◇◇
電車が走り始めてしばらくして、乗り換えのために降りた駅で、デヴォラントは周辺を歩いていた。次の電車まで30分ほど時間がある。その時、ふと懐かしい匂いが漂ってきた。
牛丼の匂いだった。
一人の男として過ごした38年間で、何度も嗅いだことのある匂い。安い食堂、コンビニ弁当、ファストフード。貧しかった頃の記憶と結びついた、身に染み付いた匂いだった。
底辺生活の象徴でもあるその匂いに、なぜか足が向いた。記憶の奥底にある、満たされることのなかった空腹感が、無意識のうちに身体を牛丼店へと導いている。
(懐かしい匂いだ。38年間、何度この匂いに救われたことか)
デヴォラントは24時間営業の牛丼チェーン店に入った。「吉田家」の看板が掲げられた、全国チェーンの典型的な店舗だった。
朝の時間帯にもかかわらず、店内には客がまばらに入っている。サラリーマンが朝食代わりに牛丼をかき込み、学生が安い食事で腹を満たし、夜勤明けと思われる作業員が疲れた表情で箸を動かしている。
店内は狭く、カウンター席が中心の構造だった。厨房では店員が機械的に牛丼を盛り付けており、注文から提供までのスピードを重視した効率的なシステムが構築されている。
本来、食事の必要はない。捕食によって得た栄養で十分に活動できる。エネルギー効率から考えれば、わざわざ人間の食事を摂取する理由はない。
しかし、興味本位で注文してみることにした。
「牛丼並盛、お願いします」
カウンターで注文すると、380円という価格が表示された。14歳の中学生にとっては決して安くない金額だが、神崎優の財布には十分な現金が入っている。
席に座り、運ばれてきた牛丼を観察する。白い丼に盛られた白米の上に、甘辛く煮込まれた牛肉と玉ねぎがのせられている。味噌汁と漬物が付け合わせとして添えられていた。
見た目は決して美しいとは言えない。高級料理のような繊細な盛り付けも、色彩の美しさもない。まさに「安い食事」の典型だった。
箸で一口食べる。
予想外の発見があった。
味覚、温度、食感。これらの感覚が単なる栄養補給を超えた何かを与えてくる。精神的な安定感、記憶への働きかけ、そして何より——自我の補強効果。
興味深い現象だった。
食事という行為が、生存に必要のない行為でありながら、精神的な支えとして機能している。味覚による快感は脳内の報酬系を刺激し、満腹感は安全感をもたらす。温かい食べ物は身体を内側から温め、咀嚼のリズムは心拍を安定させる。
それは、デヴォラントの精神状態を安定させ、思考能力を向上させる効果があった。まるで散らばっていた意識の断片が、一つにまとまっていくような感覚だ。
これは重要な発見だった。人間の「文化的行動」には、単なる娯楽を超えた価値があるのだ。
しかし、同時に強い不満も感じていた。
この安っぽい環境を見回す。プラスチックの椅子、薄っぺらいテーブル、調理場から聞こえる騒音、他の客の咀嚼音、蛍光灯の白い光。壁に貼られた安売りのポスター、床に散らばった食べかす、空気中に漂う油の匂い。これらすべてが「喰われる側」の世界を象徴している。
(この環境……まさに俺がいた世界そのものだ。もうこんな場所で満足するのはやめよう)
380円の牛丼。それは貧困の味だった。
強者には、もっと上質な環境が相応しい。高級レストランの最上級コース、一流のシェフが腕を振るった料理、上質なサービス、洗練された空間。それこそが「喰らう側」にふさわしい環境だ。
380円の牛丼と、5万円のフレンチコース。味や栄養価の違い以上に、そこには社会的階層の明確な差がある。同じ「食事」という文化的行動でも、環境によってその価値は天と地ほど異なる。
文化的行動の価値は理解した。だが、環境のレベルが自分には不釣り合いだった。
デヴォラントは食事を急いで済ませ、店を出た。興味深い発見があったが、同時に自分の置かれた立場への不満も明確になった。
次の電車まで、まだ時間がある。
◇◇◇
駅前を歩いていると、24時間営業のネットカフェが目に入った。「快調CLUB」という大型店舗で、個室ブースが数百室あることが外観からも分かる。
食事に続いて、他の文化的活動も試してみることにした。牛丼で発見した自我補強効果が、他の行動でも得られるかを確認したかった。
受付で学生料金の3時間パックを申し込んだ。料金は900円。牛丼よりも高額だが、それでも一般的な娯楽としては安価な部類だ。
受付では身分証明書の提示を求められたが、神崎優の学生証で問題なく通過できた。フロア案内を受けて、指定された個室に向かう。
エレベーターで3階に上がり、番号札を頼りに個室を探す。廊下には蛍光灯が並び、カーペット敷きの床には安っぽい模様が施されている。所々から聞こえる音楽やゲーム音が、施設の性格を物語っていた。
狭い個室に入ると、デスクトップパソコンと大型モニター、ヘッドフォン、リクライニングチェアが設置されていた。外の壁際には漫画本がぎっしりと並んでおり、ドリンクバーも利用できる。
室内は6畳程度の狭さで、天井も低い。壁は薄く、隣室の音が微かに聞こえてくる。照明は蛍光灯で、温かみのない白い光が空間を照らしている。
まずは映画を鑑賞してみる。
配信サービスにアクセスし、様々なジャンルの作品を選択していく。アクション映画、SF映画、ドラマ、ホラー、コメディ。情報処理能力を拡張し高速視聴していく。通常の数倍の速度で内容を把握し、ストーリー構造と演出技法を分析する。
これも自我の補強に効果があった。映像と音声による情報入力が、脳の複数の領域を同時に刺激する。ストーリーに感情移入することで、疑似的な体験を得ることもできる。特に、主人公が困難を克服し成功を収める物語は、達成感と満足感をもたらした。
映画の中の主人公たちは、様々な困難に直面しながらも、最終的には勝利を掴む。権力者との戦い、恋愛の成就、復讐の完遂。それらの体験が、デヴォラント自身の感情と共鳴していた。
続いて読書を試した。小説、ビジネス書、技術書、哲学書。電子書籍サービスから様々なジャンルの書籍にアクセスし、能力により、通常の10倍の速度で読み進めることができる。
知識を得る喜び、新しい概念を理解する充実感、論理的思考を深める満足感。これらの体験も、明らかに精神的な効果をもたらしていた。
特に、権力論や社会学の書籍は興味深かった。社会階層の形成メカニズム、権力の獲得と維持の方法、影響力の行使技術。これらの知識は、今後のデヴォラントの活動に直接的に役立つものだった。
知的満足、娯楽による精神的充足。人間の文化的行動には、確実に価値がある。それは、単純な快楽とは異なる、より高次の満足感だった。
これらの体験は、デヴォラントの精神に明確な変化をもたらしていた。思考がより鮮明になり、計画立案能力が向上し、何より自分自身への確信が深まっている。
文化的行動による自我補強システム——それは人間社会で生きるために不可欠な要素だった。
しかし、やはり環境への不満は拭えなかった。
狭い個室、安いドリンクバー、隣室からの騒音、空調の音、安っぽい設備。これは「喰われる側」が利用する施設だ。
自分なら、専用シアター、プライベートライブラリ、完全防音の個室を持つべきだ。最新の設備、高品質の音響システム、上質な家具、専属のスタッフによるサービス。そうした環境でこそ、文化的体験の真の価値を享受できる。
牛丼店と同じだった。行為自体には価値がある。しかし、環境が「下位」の水準に留まっている。
3時間のパック料金を消化すると、デヴォラントはネットカフェを出た。
重要な発見があった。文化的行動による自我補強効果。これは今後の活動において積極的に活用すべき技術だ。
しかし、同時に明確になったこともある。
もう「下」にいるのはうんざりだ。
38年間、デヴォラントは常に社会の底辺にいた。安い食事、劣悪な住環境、低品質なサービス、粗雑な扱い。6畳のアパート、共用トイレ、薄い壁から聞こえる隣人の騒音、錆びた水道管から出る茶色い水、冬は寒く夏は蒸し暑い部屋。それらがデヴォラントの「当たり前」だった。
しかし、もうそんな生活は御免だった。
「喰らう側」には、最上級の環境が相応しい。高級レストラン、プライベートクラブ、専用施設、最高品質のサービス。それらを享受できる立場に立つ必要がある。
つまり、「社会的強者」に回らなければならない。
権力、財力、影響力。すべてを手に入れて、もう二度と見下されない存在になる。それこそが、デヴォラントの真の目標だった。
復讐は手段に過ぎない。本当の目的は、社会の頂点に立つことだ。
◇◇◇
午前11時頃、デヴォラントは世田谷区に向かう電車に乗った。
車内は通勤ラッシュも一段落して、比較的空いていた。座席に座り、車窓から流れる景色を眺めながら、今後の戦略を練る。
牛丼店とネットカフェでの体験を通じて、重要な洞察を得ることができた。文化的行動の価値と、環境の重要性。この知識は、今後の活動の基盤となるだろう。
神崎優として家庭に復帰し、家族との関係を再構築する。表面的には従順な息子を演じながら、実際には家族のリソースを分析し、活用方法を検討する。
優の記憶から、神崎家の詳細な情報を整理していく。
父親――神崎正樹は大手広告代理店「NEXUS」の重役。年収は2000万円を超え、業界内での影響力も絶大だ。この地位は単なる会社員とは次元が異なる。広告代理店は企業の宣伝戦略を左右し、メディアの内容にも影響を与える。テレビ番組のスポンサー選定、雑誌の広告ページ、ウェブサイトのバナー広告。これらすべてに影響力を持っている。
大企業クライアントとの接触ルート、メディア操作技術とマーケティング戦略、政財界との間接的コネクション。これらすべてが権力の源泉となる。
義母――恵美は有名女優。テレビドラマや映画の主演を務め、CM出演料だけで年収数千万円を稼いでいる。芸能界での地位は、単なる知名度を超えて、世論形成や文化的影響力に直結する。
芸能界・メディア業界での直接的影響力、政治家・経済界VIPとの社交的接触、世論形成への影響力。慈善活動やイベント出席を通じて、政財界の重要人物との人脈を築いている。彼女の一言が、時として政治的議論や社会的トレンドを左右することもある。
義姉――美沙はモデルとして活動している。ファッション雑誌の表紙を飾り、SNSでは数十万人のフォロワーを持つ。現代社会においては軽視できない影響力を持つ。
現代的な情報発信技術とSNS影響力、若者文化・トレンドへの理解、ファッション・美容業界への接点。インスタグラムやTikTokでの発信は、若者の消費行動や価値観に直接的な影響を与える。これらは現代的な権力の一形態だ。
そして義妹――花音。小学6年生で、優の記憶では家族の中で唯一優しく接してくれる存在だった。今後、彼女をどう活用するかは状況を見て判断する必要がある。
デヴォラントは冷静に分析した。
優はこれらのリソースから完全に排除されていた。実の息子でありながら、家族の権力と富に囲まれながら、それらを享受することは許されなかった。
父親の会社の重要な接待には呼ばれず、義母の芸能界パーティーにも参加できず、義姉のファッションイベントからも疎外されている。まるで家族の恥部のように扱われ、公の場に出ることを避けられていた。
しかし、デヴォラントがこの身体を使えば、これらすべてを支配下に置くことができる。
段階的な計画を立案する。
第一段階:家族リソースの完全掌握。表面的には「更生した優」を演じながら、家族それぞれの弱点と活用法を見極める。父親の仕事上の秘密、義母の芸能界での立場、義姉の影響力の源泉。これらを詳細に分析し、活用方法を検討する。
第二段階:広告代理店を拠点とした企業界浸透。父親のコネクションを活用し、大企業への影響力を確立する。広告の力で企業の売上を左右し、メディアを通じて世論を操作する技術を習得する。
第三段階:芸能界人脈を活用したメディア支配。義母の人脈を通じて、情報操作と世論形成の技術を習得する。テレビ、雑誌、ネットメディアを通じて、社会の価値観や政治的議論を意図的に誘導する方法を学ぶ。
第四段階:政府機関への潜入と影響力拡大。これまでに構築した人脈とリソースを活用し、政治・行政への影響力を獲得する。官僚との人脈構築、政治家への働きかけ、政策決定への間接的な関与。
最終段階:社会システム全体の頂点に君臨。すべての権力を統合し、真の支配者として君臨する。経済、政治、メディア、文化。すべての分野で影響力を行使できる存在になる。
完璧なロードマップだった。
電車が世田谷区に近づくにつれて、デヴォラントの意識に再び優の残留思念が混入してきた。
(家に帰るのが怖い...また冷たくされる...学校はもっと怖い...)
煩わしい雑音だった。しかし、もう長くは続かない。
この感情の源泉となっているいじめグループを処理すれば、優の残留思念も消失するはずだ。そのための具体的な計画も、既に頭の中で組み上がっている。
蛇島龍牙、猪俣翔真、鰐淵美桜。この3人を段階的に処理し、優の記憶に纏わりつく感情的なノイズを完全に除去する。
物理的な暴力は避ける。捕食による自我侵食のリスクがあり、また殺人という犯罪行為は発覚の可能性が高すぎる。それよりも、これまでに得た技術と知識を活用した知的手法の方が効率的だ。
社会的制裁、経済的打撃、心理的破綻。様々な手段を組み合わせて、痕跡を残さず確実に目標を達成する。李副隊長のハッキング技術、王隊長の戦略的思考、田中主任の組織運営知識。これらすべてを活用した、完璧な排除作戦を実行する。
それが完了すれば、デヴォラントは純粋に自分自身の意志だけで行動できるようになる。そして、真の意味で「喰らう側」への転換を果たすのだ。
◇◇◇
午後6時頃、デヴォラントは世田谷区に到着した。
優の記憶を頼りに住宅地を歩く。高級住宅が立ち並ぶ閑静な街並みは、デヴォラントがこれまで知っていた世界とは明らかに異なっていた。
38年間、デヴォラントは常に社会の底辺にいた。6畳のアパート、共用トイレ、薄い壁、隣人の騒音、錆びた水道管から出る茶色い水。コンビニ弁当と牛丼が主食で、娯楽といえば古いテレビと図書館で借りた本だけ。それが当たり前の環境だった。
しかし、この街は違った。
道路は綺麗に舗装され、街路樹は丁寧に手入れされている。歩道には高級な石材が使用され、街灯も洒落たデザインのものが設置されている。ゴミ一つ落ちていない清潔な環境が保たれていた。
広い庭付きの一戸建てが建ち並び、どの家も敷地面積は100坪を超えている。建物は2階建てや3階建てが中心で、外壁には高級な材料が使用されている。門扉や塀も重厚で、明らかに高額な建築費がかかっていることが分かる。
歩いている人々の服装も、持ち物も、すべてが高品質だった。
主婦たちが持っているハンドバッグは数万円はするブランド品だし、身に着けている服装も上質な素材で仕立てられている。散歩している犬も血統書付きの高級犬種で、首輪やリードも高価なものばかりだった。
駐車場に停まっている車も、どれも高級車ばかり。レクサス、BMW、メルセデス・ベンツ、アウディ。一台あたり数百万円から一千万円を超える車両が当たり前のように並んでいる。
明らかに「喰らう側」の世界だった。
(これが本来の俺にふさわしい環境だ。38年間の底辺生活は、今日で終わりにしよう)
デヴォラントは、自分が手に入れた新しい環境の価値を理解した。
これまでとは全く異なるステージに立っている。権力、財力、社会的地位。すべてがここにあった。そして、それらを活用する権利を手に入れた。
牛丼店とネットカフェで味わった「下位の文化的体験」との差は歴然だった。同じ人間でありながら、置かれた環境によってこれほどまでに生活の質が異なる。
神崎家は通りの奥にある大きな一戸建てだった。敷地面積は200坪程度あり、手入れの行き届いた日本庭園と、3台分の駐車場がある。建物自体も3階建てで、延床面積は優に60坪を超えるだろう。
外壁は白い塗装で仕上げられ、屋根は黒い瓦葺き。玄関前には御影石で作られた門柱があり、表札には「神崎」の文字が金文字で刻まれている。インターホンも高級なタイプで、カメラ付きの最新式だった。
庭園には松や梅の木が植えられ、小さな池には錦鯉が泳いでいる。石灯籠や飛び石も配置され、和風の美しさを演出している。庭の手入れは専門業者に依頼しているのだろう、完璧に整備されていた。
駐車場には3台の車が停まっていた。黒いレクサスLS、白いBMW X5、そして赤いミニクーパー。それぞれ数百万円はする高級車で、この家の経済力を物語っている。
家の周囲には高い塀が巡らされ、プライバシーが完全に保護されている。防犯カメラも設置されており、セキュリティシステムも最新のものが導入されているようだ。
デヴォラントは深呼吸した。
これから始まる新たな人生。「喰われる側」から「喰らう側」への転換。そのための第一歩を踏み出す時が来た。
しかし、まだやるべきことがある。まずは優の残留思念を完全に除去し、その後で家族のリソースを段階的に掌握していく。
全ては計画通りに進めなければならない。
デヴォラントの口元に、冷たい笑みが浮かんだ。
牛丼とネットカフェで学んだ文化的行動の価値。それは、これから享受する高級な環境との対比で、より鮮明に理解できた。
文化的行動による自我補強は有効だ。しかし、それを行う環境のレベルが重要なのだ。
もう二度と「下」の世界には戻らない。
今度は、頂点に立つ番だった。
そして、その第一歩として、神崎家という強力なリソースを完全に掌握する。父親の広告代理店でのコネクション、義母の芸能界での影響力、義姉のSNSでの発信力。これらすべてを活用して、社会システムの頂点を目指すのだ。
デヴォラントは、神崎家の門扉に手をかけた。
新たな人生の始まりだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます