それゆけ王国輜重隊~最凶の輸送部隊は今日も死線を突破する~
うりぼう
第1話 ヒャッハァ~!来た来た来たぁぁぁぁぁ!!
「ヒャッハァ~!来た来た来たぁぁぁぁぁ!!」
どこぞの蛮族のような雄叫びをきっかけに、仲間たちの士気が爆上がりする。
王国東部の前線へと補給物資を運んでいた僕たちは、狭隘な山道で敵兵の襲撃を受けたのだった。
こちらは荷馬車の御者を含めても、50名にも満たない小隊。
対して、敵の兵士はこちらの倍……いや、3倍はいる。
普通に考えれば、絶体絶命だ。
なのに、こんな危険な状況で、どうして誰も彼もが笑みを浮かべているのだろう。
「まずは、荷馬車を守……」
僕が味方に指示を出そうとするが、誰も聞いちゃいない。
「うおっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「殺れ殺れ殺れ!」
「ぶっ殺せぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「汚物は消毒だぁぁぁぁぁぁ!!」
「ヒャーッホーーーッ!!」
それどころか、飢えた狼の如く押し寄せる敵兵へと我先にと向かって行ってしまった。
ああああ……、また勝手なことをしてるよ……。
荷馬車……、まずは荷馬車を何とかしないと……。
そう考えた僕が御者たちに振り返る。
えええええええええええええっ!!??
まさかの御者たちも、手に手に武器を取って敵兵へと向かって行く。
その場には、乗り手を失った荷馬車がポツンと放置されている。
ねぇ、まずは荷物をどうにかしようよ。
誰もこっちの言うことなんて聞きやしない。
こんな問題児ばっかりの部隊、もう嫌だ……。
ガックリと膝を落とす僕を無視して、戦いは進んでいく。
龍人族の女剣士に、頭の先から真っ二つにされる者。
鬼人族の戦士に、巨大な
高位貴族の魔術師に、爆炎の上級魔術で灼き尽くされる者。
あちこちから上がる断末魔の悲鳴。
だけど、それが全て哀れな敵兵のものだと、僕は
どれくらいの時が流れただろうか、やがて周囲が静寂に包まれると、大地に転がっているのは
「あ~あ、ちょっと物足りなかったかな?」
「チッ、つまらねえヤツらばっかだったぜ」
「もっと火力を高めるべきかも……」
味方のうち、真っ先に飛び出して行った
お前ら、僕や荷馬車をほったらかしにしていったことは忘れないからな……。
「はぁぁぁ………………」
僕は出発して以来、もう何度目かも分からないため息をつく。
また、勝手に危険なルートを選んだからだって上層部に怒られるんだろうな……。
だって仕方ないじゃないか、アイツらがわざわざ敵陣のど真ん中を突っ切ろうって言い張るんだから……。
今回は、どうして僕がこんな目に遭っているのか聞いてもらいたい。
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