死んだ少女に恋をした~真夏の口寄せは、雪のよう冷たくて~

水鏡月 聖

第1話 序文

 ――たとえるならそれは、夏に舞い降りたひとひらの雪。


話したところで信じてもらえないかもしれないような、そんな幻のようにはかなく消えていった存在。

それでも、確かにおぼえている。手のひらの上ですうっと消えたそのささやかな結晶が冷たくて、しばらくはその余韻に浸っていた。



それに、目をつむるとほら、夏の日差しを浴びてキラキラと光り輝いていたその存在が、今でも鮮明に焼き付いている。

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