第3話 環陣鎖烈エンブレム

魔法陣のように円を描く。

中央に立つは、摩ちゃん。

目の前には烈火道キメラが立つ。

そして烈火道が唱える。

開火羽化グロウオブファイア…!」

「…」

「…」

何も起きなかった。

烈火導が頭を掻いた。

「だーめだこりゃー……」

摩はガッカリして、背中の傷に手を伸ばした。

うー…ちょっと疼くかも?

でも

「また、羽化失敗だねぇ」





-烈火道の欒-

こもれびの朝

ここ、烈火道の自宅にて、烈火道と摩は羽化の修業を試みている最中でした。

烈火道の家は、とても広い庭があります。

ここなら、羽化修業をしてもだいじょうぶでしょう。


まぁ、しかし…

覚醒羽化は、なかなか成功できませんがね。

摩ちゃんの羽化は、果たして、いつ、できるのでしょうか。





「烈火道、背中が疼くよぉ…」

「なにぃ?見せてみろ」

烈火道は摩ちゃんの上着を捲る。

その、小さな背中には、縦線に二つの傷跡があった。

「…まだ、幼ねぇな」

「ねぇ、烈火道。摩はいくつになったら大人になれるの?」

烈火道は曇り顔を臥せて、あたたかく答えた。

「羽化したら…なっ !」

バシッ

「いだあーーーっ!烈火道のバカぁ !」

摩は、舌を出してプイッと家の中に入って行っちゃいました。

独りしゃがんだまま動けじまい。

空を、仰いだ。





「…あのこ、いつか行っちまう」


烈火道は、タバコをふかした。

…俺等置いて、遠い遠い、お空の国へ……か。

その空の国、空から地を見守る女王を欲っしている。


まー、いくんじゃねーぞ。

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