装備獲得
【ユウ】
Lv.20
種族:魔竜
[スキル]
火炎魔弾Lv.3
爆氷炎Lv.3
竜炎斬Lv.3
魔獄炎Lv.1
流水氷斬Lv.1
竜影残Lv.1
[技術]
轟音突きAL.1
[装備]
右手:木刀
左手:模様つきの木の盾
頭:無し
胴:絹の街服(蒼緑)
脚:革の靴
腰:無し
腕:無し
アクセ1:無し
アクセ2:無し
ステータスポイント:0
職業:
HP:270
MP:2200
攻撃:470
防御:290
機動力:370
運:66
器用:550
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
◆翌日(木)
「じゃあな、駿。俺こっちだから」
「はい! またルミナで!」
俺は駿と別れを告げ、それぞれの帰路に着く。といっても、家は近隣だし、別れた後直ぐに俺の家に到着するしな。
玄関の扉を開けて中に入ると、いつも通りの静寂が出迎えてくれた。
「ただいま、って今日も部活か。まいは」
確か結構過酷だったよな〜…。殆ど毎日とか無理だろ。
「俺はこういうことをしているに限るな」
そう呟きながら、俺は自室に入ってベッドに身を投げ出した。
「『ログイン』」
ベッドの上に仰向けに寝転がり、定型文を口にする。その瞬間意識は暗転し、見慣れてきた景色に変化して行く。フィルとはギルドでの待ち合わせなので、ギルドへ向かって歩行する。というか、今更だがアレンって3日で4人分の武具を製作できるのは凄くないか? ゲームの補正も存在するのだろうが、才能が存在するのかもしれないな。もしくは本業で工房などで就労していたり…。いや、それは…無くもないか。
石畳の道を進みながら、ギルドの建物が視界に入ってくる。
「はぁ、いい加減この普通の酒場みたいな…いや、めちゃくちゃ地味な酒場みたいなギルドの外観にも慣れてきたな」
このお粗末な、セピア色の木とグレースケールの石で構成されたギルドの案なんて、一体どんな奴が出したんだか。あれ、てっきり中に存在するものだと思っていたが、外で待ち合わせだったんだな。
ギルドの入り口付近を見渡すと、人影が一つ。フィルだ。
「よ、フィル。まさか外に居るとは思っていなかったが。まあ、発見しやすくて助かったけどな」
うん。まあ実際、中にはかなりのプレイヤーが屯っている。それなら外に居た方が待ち合わせが容易だということだ。
「あ、ユウ君。確かに中でもいいんですけどね。ちょっと人が多すぎて発見しにくいかなと」
「いや、普通にありがたかった。じゃあどうする? アレンの工房にもう行くか?」
まあ、メールは来ていないが、距離を考慮すると丁度いいのではないか?
「そうですね…、アレンさんのフレンドチャットが来ていないですけど、もう行きます?」
─♪
耳に心地よい通知音が響いた。
ん?
俺は素早くウィンドウを開いてメッセージを確認する。
「待った、フィル。今アレンから来たんだが、今丁度完成したってよ!」
「本当ですかっ! じゃあもう居ても立ってもいられません! 今すぐ行きましょう!」
今、アレンからは[丁度全員分の
「兎に角、行ってみるしかないよな! フィル、行くぞ!」
「はいっ!」
とは言ったものの、街中でのスキルの使用は禁止。だから、
で、何が言いたいのかというと、人間よりも遥かに身体能力やスキルの底力が強い魔竜は、フィルよりも機動力が格段に上。するとどうなるか。レベル差が存在しても、フィルよりもかなり先に行ってしまうのだ。歩行していても。
どうしたものかね…。どうにかしてフィルを速く移動させたいのだけれど。…あ──
俺の脳裏に一つの閃きが走った。
「なあフィル。ちょっと持ち上げてもいいか?」
「え?」
俺が思いついた方法。それは、フィルを持ち上げて俺が走行すれば速いんじゃね。という方法だ。
フィルが言葉を理解する間もなく、俺は彼の体を軽々と抱え上げた。
「ちょ、ユウ君? あの、っ──あ゛ぁぁぁ゛ぁ─ッ!!!??」
俺はフィルをひょいと持ち上げ、全力で門まで夜の
風を切って走る感覚が心地よい。周囲の景色が猛烈な速度で後ろへ流れていく。
よし! 門を抜けた! あれ? これってもしかしてこれに
更なる速度向上の可能性に気づいた俺は、迷わずスキルを発動させた。
「
「ユウ君これの状態に更にブーストさせるのは本当にやめt──あ゛ぁぁ゛ぁぁ゛──っ!!!?」
*
途中で山羊のような何かを蹴散らした気がするが、気の所為だろうか?
工房の前に到着し、俺はフィルを地面に降ろした。
「はぁ、はぁ…もうやめてくださいね…こんな過酷な移動人生で初めてかも知れません…、う゛っ」
「おいおい大丈夫か? まあ、確かにちょっとだけ速すぎたかもな。次は気をつけるから、安心してくれ」
別に視界が少し風の抵抗で見えにくい程度だけだったと思うのだが。フィルがそう言うなら次からは気をつけよう。
工房の扉が開き、アレンが顔を覗かせた。
「まあまあフィルをいじめるのもそこまでにしてやりな。折角完成したんだからさ!」
いや、いじめているつもりは無いが。それより、
「そうだな、完成した武器を見せて欲しいんだが、その、どこにあるんだ?」
当たりを見回してもそれらしいものは無い。一体どこにあるのだろうか?
「あぁ、それならここにあるよ! ほらね!」
そうアレンが言った途端、アレンの
次々と取り出される武具が、作業台の上に並べられていく光景は圧巻だった。
「「おぉ〜!!」」
俺が依頼したのは、魔力の通りやすい剣と攻撃系の補正が適用されるアクセサリー。恐らくこの指輪と、ピアノの黒鍵のように黒い片手剣だろう。そして、フィルの依頼した品物は、軽量で硬い双剣と腕当てだが、フィルは強そうな敵を討伐していただけあって強そうな素材を使って製作されているのだろう。そのせいか、
俺のにも
でも判明したことは、やはり魔物や素材の品質、レア度などで生産品の効果に及ぼす力が相違するらしい。
ただ、それでも魔力融合術が使用できる剣な事には間違いないだろう。これは大きな一歩と言えるだろう。
俺は導魔剣を手に取り、その重量感を確かめた。
「ありがとな、アレン。早速ちょっと使用してきていいか?」
「ちょっとと言わず、そのまま練習にこき使ってやってくれよ? 報告はいいから、結果で示してくれよ?」
成程、バトルロイヤルか。確か50位以内に入るとランキングとしてリザルトに追加・公式のアカウントから呟かれるらしい。
「じゃあ、行ってくるよ。またいつか素材を持参してくるから、その時はまた製作してくれよ?」
「もちろん! よろしく頼むよ!」
これからもご贔屓にってやつだな。お得意様としてこれは何回も訪問しないとな。
「じゃあフィルも行くぞ」
「はい!」
*
とりあえず外に来たらいいものの、さっきは
俺はウィンドウを開いて、装備の詳細を確認し始めた。
まずは剣の方。
【導魔剣】──
魔力の通りが普通の剣よりも格段に良い片手剣。
鋼のように硬い角を使った剣にブラッドスライムの、魔力を出し、通りやすい粘液を使用して精錬した剣。
耐久力と魔力伝導性が非常に高いので、相当強い魔法を使用してもよく通すことが出来る。
────
次、アクセサリーの方。
【真紅の指輪】──
────
フィルのものも気になるが、それは後で見せてもらうことにしよう。
俺は導魔剣を鞘に収め、フィルの方へ視線を向けた。
「じゃあ、
「はい! 僕の装備も試してみたいですし、早く戦いましょう!」
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