第12話 異世界【ムドゴ】

👤勇者ハスル

★★★☆☆ ん~勇者としては……



長年勇者をやっていると、誰しも出会ってしまうもの―


それは『がっかり異世界』!


こういう言いかたすると住んでいる人たちに失礼なんですが、決して世界自体がダメという話ではなく、勇者として行くと……どうなん?って話なんですよね。


今回レビューする異世界【ムドゴ】はまさに典型的なガカイセ(※がっかり異世界の略称)です。


まずこの世界はとても小規模です。


この世界で人が住む島は一つしかなく、計測魔法で島の大きさを測ったところ約八十平方キロメートルでした。


一日あれば島を一周できるぐらいのサイズです。


周りは海に囲まれており、四方を見ても特に何もありません。


亜熱帯地方のような気候で、ファボリー族と言われる人たちが住んでいます。


肌は浅黒く、みなさん温厚な人ばかりです。


主に狩猟、農耕、漁業をして生活を営んでいます。


そして肝心のこの世界を脅かす魔王なのですが、【ゴンゴゴ】と呼ばれる魔物です。


ぶっちゃけ言ってしまえばビジュアルがイノシシなんですよね。


ゴンゴゴ―って鳴き声を出すのでそう呼ばれているのですが、主な悪事が農作物を食い荒らす、人に体当たりしてくる……以上です。


現地の人からしたら深刻な問題なので大事な責務ではあるのですが、果たして勇者のやることか?と疑問を抱かずにはいられないですねぇ……。


まあでもこの島自体はいいところでして、退治が終わるとファボリー族の皆さんが宴を開いてくれて、ごちそうを振舞ってくれたり素敵な歌や踊りを披露してくれます。


料理だと鶏肉を大きな葉っぱに包んで蒸し焼きにする“クワッコ焼き”が絶品です。


このとおりだいぶ緩いので、ハラハラドキドキの冒険をお望みの方にはおススメできないです。


逆に言えばマッタリしたい勇者さんにはよろしいかと。


レベルはだいたい五前後あれば十分です。


自分的にはいい休暇になりました。



21人の勇者様がこれが役に立ったと考えています



▽コメント15件

👤勇者シャンク

ここ良いよね、討伐後砂浜でぼけ~っとするの好き

👤勇者ファン

がっかりと言うかゆっくりできそうなトコやね


etc……



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る