第5話 異世界【ジャーク】

👤勇者キョウ

★☆☆☆☆ 虚無でした



トラック転移でこの世界に来たのですが、転移先がなんと魔王城の目の前でした。


なんの準備もなくわたしは狼狽うろたえてしまったのですが、城の門番がおらず妙に静かなのが気になって思い切って突入しました。


特に誰にも会うことなく、魔王が鎮座する広間にたどり着きました。


そこにはこめかみから角を生やす小太りのおっさんが座っていました。


居眠りしていたそのおっさんは、わたしの気配に気づき目を覚まし、気さくに話しかけてきました。


あまりに邪気を感じず、思わず警戒を解いてしまいました。


どういうことかと質問するとおっさんは嬉々ききとして話し始めました。


このジャークという世界は、戦争や病原菌の影響で人間や魔物の数が激減しているのだとか。


一応形だけ人間と魔物は争っているけれど、もうほぼお互いに戦う意思はないとのことでした。


代々の伝統ということで自分が魔王として君臨しているとおっさんはにこやかに語っていました。


もう何十年もすることもなく椅子に座っていたところわたしが来たわけです。


「そんじゃ戦っとく?」と呑みに誘うような軽い感じでおっさんはバトルを始めようとしました。


「世界を恐怖に陥れているわけじゃないんだよね?」とわたしが聞くと、


「もう征服するとこないよ?」と笑いながらブラックジョークを返してきました。


体から力が抜けたわたしはその場を後にしました。


帰る際後ろから「また来てな∼」と声をかけられましたが、無視しました。


その後神に報告し、わたしは元の世界に戻りました。


滞在時間約二時間。


何の時間だったのかと。


ホントに何もない世界なので行かないほうがいいです。



39人の勇者様がこれが役に立ったと考えています




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