第2話 異世界【バァウンドゥ】
👤勇者フリード
★☆☆☆☆ 二度と行かない
魔王に支配された世界と思いきや、ルールに支配された世界でした。
まずこの世界に来たら、戸籍を取得するところから始めなければなりません。
戸籍がないとあらゆる許可が下りないからです。
転生・転移する際に、担当の神に転生・転移証明書を発行してもらってください。
これを忘れたままこの世界に来ると詰みます。
街にも入れず、お金も稼げず、野生動物のような生活をしながら討伐に向かわなければなりません。
ですがこのバァウンドゥで無許可による魔王討伐はかなりの重罪で、普通に処刑されます。
自分はこれで捕まり強制的に再転生させられ二周目でまた討伐に行く羽目になりました。
そして前記の通り証明書を神に発行してもらい、今度こそ戸籍を取得できました。
ですがここからがまた大変でした。
討伐のために冒険者登録をしにギルドに行ったのですが、登録のために座学百時間、雑魚魔物の討伐任務を五つこなさなければなりません。
ようやくこれで登録が完了して免許が発行されるのですが、最初のうちはどれだけ実力があろうと魔王討伐は無理です。
ランクが五段階に分かれており、最初は当然一番下。
魔王討伐には一番上のランクにならないといけません。
このランクを上げる方法は三ヶ月に一度の昇級試験に合格することです。
上のランクに相応しい冒険者の実績をギルドに提出し、ペーパーテストで八十点以上とらなければなりません。
それと面接を受けなければならないのですが、態度や言葉遣いを細かく見られ、粗暴な冒険者は即落とされます。
わたしの場合ですがなんとか頑張って三年で一番上のランクまでこられました。(才能がある人でも十年かかるそうです。我ながら頑張りました…)
やっと魔王討伐に向かえると思ったのですが、ここからがまた地獄でした。
魔王関連は国家に関わる重大な任務のため、国王の許可が必要になります。
この世界には五つの国があり、最大権力を持つ国王が五人います。
五人の国王のうち三人以上から認められなけれならないのです。
王様一人一人に実力、冒険者としての実績、知力、気品など様々な角度から見定められます。
自分が許可を申請してから、魔王討伐任務の許可協議はなんと約半年ほど続きました。
結果は討伐可ということで許可をいただいたわたしは万感の思いを胸に討伐に向かいました。
討伐自体は滞りなく終え、無事世界を救うことに成功しました。
ですが、討伐証明を行うということで国営ギルドに軟禁されることになりました。
討伐時の聞き取り調査、討伐に使った武器の提出、魔王の遺体の回収のため役員と共に魔王城に再び赴くなど軟禁は一週間以上続きました。
ようやく終わる雰囲気が出てホッと胸をなでおろそうとしたとき、これより王様一人一人に報告に赴き、懇談会を始めるという話を聞かされた時わたしは逃げ出しました。
そして神に懇願しこの世界を去りました。
秩序のためにルールがあるのはしょうがないのですが、なんか思ってた冒険とのギャップにただただ疲れました。
ちなみに言うと他にも書ききれないほどのルールやマナーが存在しています。
物語に描かれるような自由な冒険に憧れている人にはお勧めしません。
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