第7話 美少女ギャルと過ごす放課後
ギャルと並んで歩く放課後。
こんなことが俺の人生で起こり得るとは、思っても見なかった。
俺は隣を歩く金城の横顔を、さりげなく横目で見てみる。
向かい風で靡く金髪と、女子の中でもあまりにも恵まれたスタイル。
やっぱり彼女はただのギャルではない。
美少女ギャルなのだ。
「ん? どしたの」
「あっ、いや、なんでもない」
「……もしかしてさ」
金城は足を止めて俺の方を向く。
「飽きた?」
「は? な、なにが?」
「なにって、わたしといるの飽きたのかなって」
金城は、さも当然のように飽きたかどうか聞いてくる。
わたしに飽きた? って、どんな質問だよ。
ちょっとやましい関係の男女でしか聞かないセリフすぎるんだが。
「俺は別に飽きたとか思ってないんだが」
「そうなの?」
「はぁ……逆に飽き性の金城は、この短時間で人に飽きるとか普通なのか?」
「人によりけり。姫奈みたいな女友達なら飽きないけど、下心丸出しの男子は基本的に嫌いだから飽きる。仮に話しかけられても会話の途中で飽きて離脱する」
「な、なるほど……」
金城にとっては、飽きるという感情の中に「嫌悪」も混ざってるのか。
つまり嫌いなものは基本的にすぐ飽きるし、そうじゃなくても気分次第で飽きることがあるから、相対的に飽きやすい……。
さらにそのダウナーな性格的にも、冷めやすい方だろうからなんでも飽きる可能性があると。
金城にとっての「飽きメカニズム」について理解してきている自分が怖い。
でも、それが分かったからこそ気になることがあった。
「一つ聞きたいんだが……なんで昨日の映画とか今日の本とか、飽き性にはキツそうなジャンルを攻めてるんだ?」
「……最近、つまんないから」
「つ、つまんない?」
シンプルかつ難解な回答が送られてくる。
「ショート動画もSNSも、毎日新しいコンテンツが出されて見ていて楽しいけど……全部、明日には忘れてる。それってつまんないなって思っていつもみたいに飽き始めてたら、ふと、一生覚えていられるような、そんな一生飽きない物が欲しくなった」
茜色の夕陽を背にそう語る
一生飽きない物って……なんか映画の主人公みたいに壮大なこと言い出したな。
「だから昨日は手始めに映画館へ行って、なんとなく面白そうなタイトルの作品を選んだの」
「へえ……」
なんとなくであのB級映画を選ぶとは……センスの塊かよこいつ(褒め言葉)。
「でもさ、本編が始まるのを待ってるだけで飽きてきて。やっぱダメだなわたし……って思った時に西山が呼び止めてくれて。おかげで一生、記憶に残る飽きない物が一つ見つかった」
金城はバッグにつけたストラップを俺の方へ自慢げに見せびらかすと、白い歯を見せて笑う。
あの金城愛希が、こんな眩しい笑顔……するなんて。
俺は金城に釣られてニヤけそうになるのを抑える。
「そ、それで映画の次は本を選ぶことにしたのか?」
「そんなとこ。だからよろしく頼むね、西山?」
よろしく頼むって言われても……俺はラノベくらいしか読んだことないんだが……。
そして、ちょうどそのタイミングで本屋の前に到着したのだった。
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