第16楽章 優しさの時代

優しくなければ 男じゃないと

言ってたあなたが 私を傷つけた

優しさだけでは 愛は育たない

それを教えたのも あなただった

恋が終わって気がついた 私の方も悪い

想い出辿るその度ごとに

後悔ばかりが募るから

これで サヨナラ

そして サヨナラ……


強いばかりが 男じゃないと

言ってたあなたが 強がり言って

優しさの時代 通り過ぎてた

愛って言葉の意味 わからないまま

石につまずいて転んだのなら

自分の方が悪い

想い出辿るその度ごとに

素直な頃を懐かしむ

だから サヨナラ

そして サヨナラ……


夢に破れて愚痴をこぼしても

時は元には戻らない

想い出辿るその度ごとに

哀しくなるだけだから

これで サヨナラ

そして サヨナラ……

だから サヨナラ

そして サヨナラ……



【創作メモ】

昔、高倉健さん主演の『野生の証明』のCМで使われたセリフ「タフでなければ生きてゆけない、優しくなければ生きてゆく価値がない」(わたしの記憶違いがあるかもしれませんが……)

 昭和のある時代、『優しい男』(強いばかりでない!という意味の)が流行ったのは、このCМの所為だと思います。この時代のことを『優しさの時代』と、勝手に呼んでいるのです。(その次には、「優しいだけの男なんて……」という時代になりますが……)

 女性からの「理想の男性像」は、時代とともに変化します。優しい男は、『軟弱な男』と呼ばれ始めます。そんな過渡期の男女の関係が終わりを告げるというテーマの詩です。

 作者自身は、優しい男というより、軟弱な男のほうなので、女性からこんな風な別れ方をされたりはしませんが、世の中の男たちは、流行りの男性像を追いかけ、背伸びして、そして、サヨナラを告げられる……?

 失恋ソングの中では、ちょっと変わった理由で別れる、というシュチュエーションになっています。理想を追いかけて、理想につまずいて、若いということ(に気づいて?)を理由にサヨナラ……。

 失恋ソングは、まだまだ続きます!

 そこんとこ、ヨロシク!

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