第15楽章 終わりの風景

店の飾り付け 少し変わったこと

君が呟いた 言葉でふと気づいた

初めてこの席に 座った時に

君が気に入った 壁の絵が消えている

いつも通りの 珈琲かき回す癖が

懐かしく思えて

あの頃より少し 大人になった分

思いやりが 少なくなった

今更引き返せない 分岐点で

最後の言葉を 探してる……


歌が途切れた 静けさに気づいて

気まずさ誤魔化すように 珈琲口に運ぶ

君は虚ろな眼で 窓の景色眺める

まるで眼の前の 僕など見えないように

向いのビルの 電光時計が10時に

変わった時

あの頃の君の 門限の時間

思い出して 笑ってしまう

行く当てなどないから これがふたりの

終わりの 風景になる……


向いのビルの 電光時計が10時に

変わった時

あの頃の君の 門限の時間

思い出して 笑ってしまう

行く当てなどないから これがふたりの

終わりの 風景になる……

終わりの 風景になる……



【創作メモ】

さて、今回の詩のタイトル、英語訳すると『ラスト・シーン』になります、よね……?

 つまり、わたしの最も得意なテーマの詩であります。(言い換えれば、同じテーマの詩が数多くある!ということですが……)

 この詩は、そんな数多い同様の詩の中では、初期の方に書いた作品です。なので、その後に書いた詩に、この詩の文言が数多く使われることになりました。特に『門限の10時』という設定は『並木通り』という詩に組み込まれました。

 最後の場面は、前作の『浜辺』か、今回の『馴染みの喫茶店』という設定が多く使われています。何度も言いますが、実体験ではありません!小説のワンシーンを詩にしている!と思ってください。

 恋の終わりは、いつもありきたりの風景の中で終わるもの……。区切りをつける場所として、あなたは何処を選びますか?えっ?失恋の経験がない?それは……、お気の毒様……。

 まだまだ、失恋ソングは続きます!

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