年下幼なじみと癒しのごっこ遊びASMR

色葉充音

第1話「お兄ちゃんと妹」ごっこ

//SE ドアの外からトタトタと近づいてくる藍咲あいさの足音

//SE 片開きのドアが開く


「おまたせ〜」


//SE 片開きのドアが閉じる

//SE 近づいてくる藍咲の足音

//SE あなたの正面に藍咲が屈んだ衣擦れの音


「はいどうぞ。オレンジジュースです」


//SE コトンとカップを机に置く音(2つ分)


(戸惑うあなた)


//緊張感を滲ませながら

「……いつもは何も出してくれないのにって? それは、その」


//だんだんと小さな声になりながら

「きみに、藍咲のお兄ちゃんになってもらいたいから、です……」


「ほら、昔やったでしょ? お兄ちゃんと妹とか、お医者さんと患者さんとか、……あとは店員さんとお客さんとかもやったよね」


「アルバム見てたら懐かしくなっちゃってさ」


「……も、もちろんこんなこと、幼なじみのきみにしか頼めないし頼まないからね?」


「だから、藍咲とごっこ遊びしてくれませんか?」


(驚きながらも了承するあなた)


//嬉しさを隠せない風に

「ほんと? 藍咲のお兄ちゃんになってくれるの?」


「やった! ありがとぉね」


「じゃあ早速だけど……」


//SE 藍咲が膝歩きで左隣まで近づいてくる


「どうぞ、お兄ちゃん」


「何がって、そんなの膝枕に決まってるじゃん」


「この前マンガで見たんだよね〜。仲の良い兄妹きょうだいが膝枕してるとこ」


「きみは今お兄ちゃんなんだから。仲の良い妹に膝枕されてください」


(戸惑ったままのあなた)


//不満げに

「んも〜。さっきいいよって言ってくれたじゃん。オレンジジュースに免じて付き合ってよ」


//SE 肩を掴まれる


//右耳の近くで囁いて

「ほらほら」


//SE 藍咲の膝にダイブインする

//SE カランとオレンジジュースの氷の音


※ここから先、藍咲に見下ろされる形で声が上から降ってくる


//得意げに

「ふふん。いいでしょ?」


「どう? 可愛い可愛い妹の膝枕は?」


//少し拗ねながら

「……藍咲が読んだマンガのキャラは妹を可愛がってたの。だから、お兄ちゃんも妹を可愛がるの。分かった?」


(勢いに飲まれて了承するあなた)


「うん、よろしいのです!」


「そんな優しいお兄ちゃんにはサービスしちゃいます」


//SE 優しく頭を撫でられる


「いい子いい子〜」


「お兄ちゃんはいい子ですね〜」


//SE 優しく頭を撫でられる


「毎日生きてるだけでもすごいんだから」


「その上に学校行ってバイトもしてるって、本当にすごいしいい子だよ〜」


//SE 優しく頭を撫でられる


「よしよし」


「……ん? これ、弟扱いじゃないです! れっきとしたお兄ちゃん扱いだからね?」


「ほら安心してよ、お兄ちゃん?」


//SE 優しく頭を撫でられる


「それに実際、お兄ちゃんの方が藍咲よりひとつ年上なんだから」


「忘れてたじゃないよ〜。……まあ、物心つく前からの仲ではあるけどさ」


「そういうわけで、可愛い可愛い妹に癒されてくださいな」


//SE 優しく頭を撫でられる


//楽しそうに

「んふふ。お兄ちゃんの髪さらさらだ」


//楽しそうに

「さらさら〜さらさら〜」


//SE 優しく頭を撫でられる


//楽しそうに

「なでなで〜なでなで〜」


//SE 優しく頭を撫でられる

//SE カランとオレンジジュースの氷の音


「んふふ」//小さく笑う


//SE 優しく頭を撫でられる

//SE 優しく頭を撫でられる


※だんだんと音がフェードアウトしていく

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る