第18話「酒井ワカコ・リンパ球」
第29番札所
全国に建立された国分寺のひとつ。
次の札所まで徒歩7.0km。
第30番札所
学業成就や合格祈願。
次の札所まで徒歩8.0km。
善楽寺に参拝をして高知市内に入り、いろいろ見学するタケゾウ、まずは、はりまや橋に来た。
はりまや橋に近づき、実際に橋に触る。
「これが有名なはりまや橋か……」
「♫土佐の〜高知の〜はりまや橋で〜坊さんかんざし買うを見た〜 これが実物の本物だ」シャム猫のテトラが歌う。
「はあ〜 なんか、思ってたのと全然違う……」
「はりまや橋は日本三大がっかり名所っていわれてるんだ。時代の流れだな。長崎の出島ももはや埋め立てられて出島ではないしな……」
がっかりしながら、『龍馬の生まれたまち記念館』に行く。
「俺のおやじが坂本龍馬の大ファンで、こういう所を喜ぶんだよ。昔もらった坂本龍馬像の写真の入ったテレホンカードも今だに大切にしている」
「お前は、坂本龍馬を知っているのか? 小説くらい読んだのか?」
「いや、名前だけ、何をした人なんだ?総理大臣か?」
龍馬の生まれたまち記念館を出て、すぐそばに坂本龍馬生誕の地があるので行ってみた。
「記念碑か……俺にとっては、ピンとこないな」
🙏🙏🙏
高知駅前をぶらぶらしていると、『ひろめ市場』があった。
ここは、たしか、ガイド本に乗っていた有名な所だ。
ひろめ市場の前にたたずんでいたら、女性が近寄ってきた。
「お遍路さん、ここに行きたいの?お姉さんがお接待してあげようか?」
50歳くらいの女性で、すでに酔っ払っている。
(まだ、夕方の4時で酔っ払いって、キャッチバーとか気をつけなよと言う人がいたが、知り合いのバーに誘い高額な請求をするやつか? 般若の目を使えばすぐにわかる)
タケゾウは般若の目で女性の過去を見た。
『助けて、助けて、助けて、誰か助けて!!』
(なんだこれは? これが彼女の真実の心か!?)
意外な心が見えて戸惑った。
目の前の女性は酔っ払って嬉しそうにケタケタと笑っている。
女性に誘われ抵抗できずにひろめ市場に入った。中には、カツオのタタキ、唐揚げ、餃子など、名物を売る店舗がずらりと並んで、フードコートのように店内に座席があり、食事はもちろん、お酒も呑める。
ちなみに高知では昼間からお酒を呑んでいても普通らしい。
「あたし酒井ワカコって言うの。お兄さん、一緒に呑もう! おごるわよ! お接待、お接待ハハハハハハ」
ひろめ市場の名物、厚切りのカツオの塩タタキ、ウツボの唐揚げ、土佐文旦チューハイなど、ワカコさんが持ってきてくれた。
「お遍路さん、この厚切りのカツオ、凄いでしょう! 他の県の人は驚くのよね! 生臭さもないから、どんどん食べれるのよハハハハハハ」
タケゾウは白衣と輪袈裟、菅笠を外しリュックも脇に置いた。
リュックの中からシャム猫のテトラが頭を出して見ている。
タケゾウがカツオのタタキを口に入れると、テトラがタケゾウの膝の上に出てきた。タケゾウは前にカツオのタタキをテトラに全部食われたのを思いだし、無視してカツオのタタキを食べる。
「あら、シャム猫。綺麗ね。カツオのタタキが欲しいのかしら?」
テトラはテーブルの上に乗り、可愛い顔をして愛嬌をふりまいて女性を見ながらゴロンと腹を見せて寝転ろがった。
「可愛いいわね。白黒模様に青い瞳も素敵!ちょっと待っててねカツオがいいの?」
テトラはタケゾウの食べてるカツオを指差し、タケゾウのことはにらんだ。
女性はカツオのタタキを持って来てテトラにあげた。
「猫ちゃんはネギを食べたら腎臓に悪いからネギ抜きのカツオのタタキねハハハハハハ」
さっそく食べて、満腹になったテトラはバッグに入って寝てしまった。
「すいません、いやしい猫で……」
「可愛い子猫ね、これからいろんな人生があるんでしょうね」
ワカコさんはグッとビールを飲み干した。
「あたし、入院するの、やけ酒だから、付き合ってね」
「病気なんですか?」
「乳がんなの……」
「手術をすれば大丈夫なのでは?」
「それが、5年前に取ったの。左胸を全摘。これで大丈夫ってお医者さんも言ったのよ、でも、取り切れてなくて転移していたの」
「そうですか……」
「肺と骨に転移で薬と放射線を使うみたいだけど、もうダメかもしれないわ。あたしも猫に生まれ変わりたい。こんな綺麗なシャム猫は無理でも家猫でのんびり暮らしたいな〜」
(がんか……たしか、大鷹仙人の本に書いてあったな……)
タケゾウはバッグを開き寝ているテトラを出して、もらった大鷹仙人の本を読み出した。
「鎖骨の内側に痛みは無いですか?」
おもむろにタケゾウが女性に質問する。
「鎖骨の内側って、体に向かって内側? 前に整体師の人に左側の鎖骨は重要だからもんでいるといいですよって言われたんだけど」
「鎖骨の背骨に近い方です。血管が入り組んでいるんです。鎖骨は冷えやすく下の血管が不調になれば、リンパの流れが悪くなるって書かれています」
ワカコさんは自分の鎖骨を触ってみるが、なんともない。
タケゾウは般若の目でワカコさんの鎖骨を見る。
(俺には大鷹仙人みたいに紐を見る力は無い。レントゲンみたいには見えるんだが、異常を見抜く知識がない。色の違う所が悪い所なのかな?)
ワカコさんに了解を取り、タケゾウがワカコさんの鎖骨に触る。
「この鎖骨の裏側にある血管の流れが気になる」
タケゾウがグッと奥まで押した。
「あ〜っ、そこはしびれる。整体師の人は鎖骨の真ん中から外側をもむって言ってたけど、全然違うのね」
「本には、がんを殺すのはリンパ球で鎖骨の下と乳び槽をほぐせと書かれてあります。他にわきと股関節にもリンパ節が密集してるから揉みほぐせと書かれています」
自分の股関節を揉みほぐしているタケゾウを見て笑っている。
「ハハハハハハ、君、面白いね!」
ワカコさんはタケゾウの話に興味を持ったようで、鎖骨と乳び槽をほぐす導引を熱心に聞いた。
📜📜📜神仙道ワンポイント。
左鎖骨の背骨側に左静脈角と左リンパ本管というリンパが静脈に入る所があり、ここをほぐせばがんにならないとは言えないが、健康の為には重要なポイントになるようです。
ここはデリケートなので、ピンポイントでほぐすより、首と肩の交わる十字のラインを常に意識してほぐすと良いと思います。
ほぐし方のひとつは『舟を漕ぐ』で、そのうちでできます。
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