第20話「坂本龍馬」
「う〜〜〜ん」
朝になり目を覚ますタケゾウ。
「夢か!? 長〜い夢だったな〜本当に17年間も江戸時代にいたような気がする。坂本龍馬とも何度も会った。導引の技も覚えた。最後は腹を斬った記憶まである。痛かったな〜」
タケゾウは、神仙道の旗を抱いたまま寝ていた。
「これのせいか? テト、この旗には、特別な力があるのか!?」
「ノーコメント、教えられない」
シャム猫のテトラは毛づくろいをしている。
「まあ、いいか。剣術も覚えたし、今なら、昨日の奴に勝てそうだ」
🙏🙏🙏
民宿を出て『坂本龍馬記念館』に来た。
龍馬さんは日本の英雄になったのか、子供の時は塾で泣かされ抜刀騒ぎを起こし退塾になったとか、13歳までおねしょをしていたとか、食べ物を食べる時はボロボロこぼすなんて噂を聞いたが、14歳から17歳までの3年間は、同い年だから良く遊んだな。
一緒に川で泳いだし、虫も取った。
龍馬さんは、金持ちだったが、偉ぶらないで、人を大切にして、傷つけるようなことは言わなかった。
坂本龍馬の年表を見ている。
19歳で江戸の北辰一刀流、千葉道場に入門。か、凄いな。
24歳で北辰一刀流長刀兵法目録を受ける。俺も北辰一刀流にいけば目録をもらえたのかな?
28歳、沢村惣之丞と共に脱藩。か、当時の脱藩は重罪だぞ。坂本家に罪がおよび、姉、栄が自害。可哀想に。
29歳、勝海舟の海軍塾で塾頭か、凄いな、たった1年で塾頭って本当かな?
31歳、亀山社中を結成。俺のおやじは長崎で亀山社中に行ったことがあると言ってたが、まだあるのか? 山道を登って大変だったって言ってたな。
32歳、薩長同盟締結。これが日本を変える大仕事だな。
33歳、土佐海援隊、隊長になる。
同33歳、11月15日 刺客に襲われ暗殺される。
(1835年11月15日〜1867年11月15日)
脱藩してわずか5年で出世したな、まさに龍のように駆け抜けたんだな。
🙏🙏🙏
第33番札所
鎌倉時代の仏師運慶、湛慶の仏像群。
次の札所まで徒歩6.5km。
雪蹊寺を参拝して、タケゾウは桂浜に戻った。
「いた、いた!」
昨日の高校生が桂浜で稽古している。
昨日は、試合に負けて、あんなに悔しがっていたのに、今日は、嬉しそうにしている。
俺も17歳まで稽古していたから、高校生と対等だな。
剣道部の人に今日も稽古したいと申し出て、防具を借りた。
基礎稽古を一緒にした。
タケゾウの動きが1日で変わっていることに部員達が気づいた。
練習稽古でタケゾウは2年生で最強の生徒とやることになった。
昨日のようなたどたどしいタケゾウは、もういない。どう見ても立派な剣士だ。
2年生は軽くあしらった、余裕の勝利だった。
3年生のキャプテンとの対戦。
タケゾウ193cm、94kg。
キャプテン178cm、75kg。
いい感じの試合だ、タケゾウは試合を楽しんでいる。
龍馬さん得意のバカ胴!
上段に構え、胴をガラ空きにして、相手が打ってくる前に面を打つ!腕が違わないと出来ない技だ。
みごとタケゾウの面が決まった。
3年生は信じられないという顔で、「もう一本お願いします!」と言うので相手をした。
龍馬さんは小手も上手かったな。
しかし、結局は刀で戦わずピストルを使ったんだよな……
考え事をしながらも、タケゾウの小手が決まった。
3年生のキャプテンは、どうして1日でこうも変わるのか不思議に思い「昨日は腕を隠していたんですか?」と聞くので「いや、いや。昨日は全力でやった。一晩寝たらできるようになっていた」と答えた。
そんなバカな、剣道が1日で覚えられるはずがないと思ったが、実際に覚えてしまったのだからしょうがない。
胴着を脱ぎ、お遍路姿に戻ったタケゾウは高校生達の前で金剛杖をブンブン振り回した。まるでバトントワリングのように金剛杖が軽々と回っている。
小栗流和術の棒術も熱心に修練していたので、軽い金剛杖は棒が折れるくらいの勢いで回りに回った。
🙏🙏🙏
昨日と同じ民宿に泊まり、のんびりと湯舟に浸かった。
俺もあんまり風呂は好きじゃないが、龍馬さんも風呂嫌いだったみたいだ。
日本で初めてブーツを履いていたらしいが、日本で初めて水虫になったという噂もある。面白い人だった。
「男子は生あるかぎり、理想をもち、理想に一歩でも近づくべく坂をのぼるべきである。か、良いこと言うな龍馬さん」
風呂から上がると、食堂では夕飯の準備ができていた。さっそくいただくと、出てきた飯も美味そうにパクパク食べている。
昨日は、まったく食事がのどを通らず、全部テトラにあげたのに、まったくげんきんなものである。
タケゾウは気持ちのわだかまりが取れて、晴れ晴れとした気持ちだが、今夜眠ったら、昨日の続きで切腹した時に戻るのではないかと、内心心配して神仙道の旗を体から遠ざけて寝た。
📜📜📜神仙道ワンポイント。
坂本龍馬の名言に『人間というものは、いかなる場合でも、好きな道、得手の道を捨ててはならんもんじゃ、何をすべきか迷った時は「好きなこと、夢中になれること、志や夢のようなものを抱けること」をすべきだ』というものがあります。
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