第7話 つわものどもの「ゆめのあと」
長いこと
それは朝焼けの雲の中で、そこには伝説の『空魚:くうぎょ』がいた。
空を飛べる謎の魚・・・『そらざかな』とも言う。
口にしたら「うまい」のか「まずい」のかよく分からない印象だ。
早朝明ける前に飛んで、今は空中。
なぜか移動する朝焼け雲に
雲はもふもふしたクッションみたいなものなのか姪っ子に聞かれたのを思い出した。
苦笑。
するとそこに、「まぁた、ひとを鼻で笑ってやがらぁ」と亡くなった旧友の声。
「どういう意味だ?」
「どういう意味もなにもない。こいつは面白いとか楽しいと笑うやつだ」
「おい、なんでお前たちがいるんだよっ?」
「「ん?」」
「俺は、死んだのか・・・?迎えか?」
「いいや。夢の
「なんだって?」
「まだ迎えになんて来てやらないよ」
――
――――・・・目が覚めたら、医務室のベッドの上にいた。
若い担当医が、「正直、うらやましいです」と言った。
あのあと無事に目的地へ着陸した俺は、なぜか着陸前後の記憶が曖昧だ。
格納庫に向かい、昔馴染みの無口が「おお」と珍しく嬉しそうな顔をして言った。
「ゆめのあと、貴殿の手柄でいくらかもらっていいらしいぞ」
彼が示した機体は俺の専用、座席に妖艶なビー玉みたいなものが大量に転がっている。
どうやら空で採れる宝石で、少し俺がもらえるらしい。
若い担当医いわく、空魚たちが瑞雲の中で見る「ゆめのあと」が
記念に持っておくかと昔馴染みに相談すると、久々の雄弁に半ば呆れた。
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