第36話 最強の刺客
ある日ゴドラ宛の手紙が来た。内容は魔族から一対一の戦いがしたいと言う内容だった。
「とうとう来たか。」
ゴドラの名は他の国にまで及んでいた。刺客だ。魔族からの、、、私は一気に緊張感が出た。
「受けるの?」
「無論だ。」
「一対一って相当自信がなきゃできない事ですぜ。」
エドガーも冷静に分析してた。
「他の国の実力も見てみたい。」
ゴドラはそう言って、一対一の勝負を承諾して、返事の手紙を送った。
「大丈夫?」
「何が?」
「相手は正体も何もわからないわよ!」
私は心配していた。確かにゴドラは規格外に強い。それでも勝負を申し込むと言う事は何か策があるのかそれともそれだけの強さを持っていると言う事なのかと、、、
そして、勝負の日を迎えた。場所は人間族と魔族領の間、たくさんの兵士をお互いに見に来ると同時に戦う用意をしていた。相手の魔族が来た。
「お前がゴドラか?」
見た目は人間族の大柄の男くらいだったが、角を生やしていた。そして、並々ならぬ気配を持っていた。
「お主は?」
「俺はゲード、魔族の王直属の近衛隊長だ。」
「ゲード、何が目的だ?」
「俺が勝ったら、人間族に攻め入る。それだけだ。」
みんなに緊張が走った。ゴドラが万が一でも負けたら、戦争だ。私は凄い緊張感に包まれていた。
「行くぞ。」
「来い。」
いきなり、お互いに剣を合わせた。何回も切りつけ合い、両者一歩も引かない。柳のようにゴドラが剣をさばいても隙が見当たらない。両者、少し距離を置いた。
「魔族最強の俺の剣について来れるとは流石だ。人間族!」
「お主もやるな。」
エドガーも凄すぎて、言葉にできていない。
「なら、この一撃はどうかな?」
突如、ゲードの剣が大きくなって、雷を帯びた!そして、身体強化を施し、格段にスピードを上げて、
ゴドラに最強の一撃を振り下ろし放った。
、、、がゴドラは受け止めた。
「馬鹿な最強の一撃だぞ。」
信じられないとゲードは後ずさりをした。
「それは明かせぬ、だが我が上と言う事は分かったか?」
ゲードは冷静になったようだ。そして、言い放った。
「そうか、さすが人間族最強だ。さすがに魔王の俺という俺の正体を見透かし、さらに戦争まで止め、強さを見せるとはな、、、」
どういう事?近衛隊長じゃあ、なかったの?まさか、魔族の王。
「お前を倒したら、戦になるからな。分かったか?」
「分かった。分かった。世の中面白い者もいるものだ。」
魔族の王と名乗る男は魔族を引き連れ帰って行った。
「一体どういう事?」
「簡単な事だ。魔族の王が近衛隊長を名乗り、俺を推し量りに来ただけだ。俺が負けるか、奴を倒したら、一気に兵士がなだれ込み、戦となる寸法だ。」
「さすが、ゴドラさん。相手の最強の一撃を受けきって、戦意を喪失させて、戦を止めさせるとは、、、」
エドガーもビックリしていた。周りの人間族の兵士達もビックリし過ぎて声も出ない。
私は安心して、その場にへたり込んでしまった。
「さて、帰るか!」
ゴドラの緊張感も解け、トトの街に帰る事にした。
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