異世界から帰還した勇者、現代ではぶっ壊れスキルで農家します
加来夏希
第1話 元勇者、農家になる
すがすがしい風、美味しい空気、魔物がいないという安心感。
それらすべての「元の生活」の日常を彼の体に染み込んでいった。
「………本当に、帰ってきたんだな」
◆
彼の名は───「
そして─────元勇者。
5年前、彼が高校二年生であったある日、異世界に転生された。
それからはとてもつらい訓練をさせられたり、魔法のない世界で育った彼に無理やり魔法を覚えさせ、過酷な訓練を強いた
とても勇者とは思えないほどの苦労をかけ、ついに彼は魔王を倒し、「勇者」という肩書きを捨てた。
「やっと、帰ってきた……」
「…とにかく、帰ってきたからには、お金を稼いで暮らさないと」
しかし、少し俺は考えた。
あの、想像とはかけ離れた生活をした俺は、正直、これ以上労働をしたくない。
むしろ、一生だらけて暮らしたい。いやもう………冗談抜きで。
だがしかし、働かないやつは腐る。というか、死ぬ。
「……できるだけ、一人でできるのがいいなぁ、そうすれば、誰かに縛られることはないし」
俺が好きだったこと、物……何だっただろう、もう5年もそんな事を考える暇はなかったから……
その時、俺はふととある看板を目にした。
「農家になってみませんか……ね」
農家。そういえば、高校生の時番組で見た農業が楽しそうで色々勉強したっけか……
………これを逃したらもう次はないかもな
俺は、看板にあった受付ならぬ場所へと向かう
◆
「あの、農家志望なんですけど……ここであってますか?」
「あぁ、農家希望の……あら、まぁ若い子が来たのね。よし、応援してるから頑張ってちょうだいね〜」
ここでは、俺はプチ感動をしていた
理由はもうただ一つ。日本語で会話したということ。異世界ではよくわからん言語を植え付けられたせいで、日本語を忘れかけていたからだ
農家志望の人のみが住める家の詳細や土地の話などを聞き、受付が少し早めに終わった。
「そういえば、ここってどこなんだ?」
そう。いきなり異世界から地球に戻されて土地勘が全くない場所に飛ばされた……
まぁ、人が多い場所よりはまだいいか。多分行方不明扱いだろうし……
「はぁ、親はどうしてるかなぁ……弟も元気にしているといいけど……」
そうして、不安と心配と半分の農家といういつかは夢にみた職業になれる事実に興奮する彼の生活は、まだまだ続く───────
異世界から帰還した勇者、現代ではぶっ壊れスキルで農家します 加来夏希 @Kill_qno
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