来るべき誓い《クロア・オウス》の名の下に。

音佐りんご。

◆1◆「悪の組織のリモートワーク」


  〈極東第二支部〉

  極東第二支部支部長、コードネーム『中ボス』の執務室。

  静寂。

  空間モニターの前でスクエア型リムレスの眼鏡を掛けた男『中ボス』が腕時計を確認する。


中ボス:……定刻十秒前。

中ボス:八、七、六、五……これより秘密結社『ダークロア』極東方面代表者リモート会議を執り行う。


  「かちっ」という音。

  中ボスの言葉と同時に「ふぉん……」という音、四つの空間モニターが追加展開される。

  元々の一枚には『中ボス』の姿と文字が、残りの四枚の内三枚には『Waiting for [3rd] to join』『Waiting for [4th] to join』『Waiting for [5th] to join』という文言が黒背景に白字で表示され、最後の一枚にはラウンド型セルフレームの眼鏡を掛けた女の姿と『社畜』の文字が表示されている。

  二人、モニター越しに目くばせをする。


中ボス:(二人同時に)来るべき誓いクロア・オウスの名の下に。

社畜:(二人同時に)来るべき誓いクロア・オウスの名の下に。


  間。

  静寂の中、遠くでキーボードを叩くような音。


社畜:……お疲れ様です、中ボスさん。

中ボス:お疲れ様です、社畜さん。……あの、失礼ですが顔死んでませんか?

社畜:あー。汚くて申し訳ないんですけど、三日は風呂入れてなくて。一応片手間、というか片手でメイクはしたんですけどね。

中ボス:ご愁傷様です。私は、つい先程シャワー浴びてきたところで、なんか申し訳ないです。

社畜:あー。お気になさらず。

中ボス:……メイク、片手でソレすごくないですか?

社畜:でしょ? ふふふ……はぁ。死にたい。

中ボス:あー……。そういえば、なんかカタカタ聞こえますけど、やっぱ仕事終わってない感じですか? 私は一時間程前に終わったところなんですけど……タイピング鬼ですね。

社畜:まぁ、プログラミングもやらされ……やってますからね。はい、いつも通りです。

中ボス:忙しい中すみません。

社畜:いえいえ、本部の七光り馬kばっ……いえ。我らが偉大なる『侯爵』様は、そのとんでもなく素晴らしい頭の中に存在するのかも怪しい脳みそを一体何秒使って考案されたんだろうと思わせる、我々のような人間には到底理解不能な素晴らしすぎてゲロ吐きそうなクソイカレ・ファッキンDie作戦のお陰ですからね。ざけんなよ、ボケが。あのカス、マジでなんかその辺の馬のケツとかに頭突っ込んで糞に溺れて死……ああ、失礼。聞かなかったことに。

中ボス:ご安心を。この通信は実績と信頼の『おもちゃ屋』さんが考案したアルゴリズムで暗号化していますし、ログも残りません。それに、大きな声では言えないですが……ぶっちゃけ私もそう思いますし、みんなそう思ってますよ。本部にいた頃、いつ不慮の事故が起きても良いように、皆で『侯爵』殿の弔電ちょうでんしたためたものですよ。

社畜:あら、そうなんですね。ということは今から私がファッキン『侯爵』様の偉業いぎょうわらにファッキン付けて高らかに歌い上げても平気ということですね?

中ボス:まぁ、そういうことですけど、楽しいですかそれ?

社畜:あー。ミリも楽しくないです。すみません、寝不足で変なテンションに。

中ボス:メイクしててもクマえぐいですもんね、三徹ですか?

社畜:あー。五徹ですね。

中ボス:死にますよ?

社畜:ははっ。やだなぁ中ボスさん。簡単に死ねないじゃないですか、この組織。

中ボス:まぁ、彼女・・がいますからね。

社畜:ですです。きっと得体の知れない強壮剤とか飲まされて、覚醒状態で頭開いて脳みそ弄られちゃいますね。

中ボス:あぁ……解釈一致。いつだったか人手不足の時に、一人で十倍の働きをする兵士を作るとか言って……。

社畜:あぁ、筋肉十倍デカ・マッチョ・ウォリアー計画ですね。

中ボス:略してDMW計画。アレは酷かった。

社畜:そう言えば『教授』まだなんですね。

中ボス:ええ『おもちゃ屋』さんもですが、みんな最低三分は遅れてくるの、いつものことですから。

社畜:ですねぇ。でも、第三師団の『生ハム』さんは大体いつもちょうど三分でしたよね?

中ボス:あぁ。あのおっさん、三という数字に拘りでもあるのか、何かにつけて三本柱とか、三箇条とか、三つ数える間にとか、三択問題を出してきますからね。

社畜:あれウザいですよね。そう言えば三段ロケットを秘密裏に建造してたとかで、予算案が回ってきてましたね。

中ボス:それ何に使うつもりなんですかね……。

社畜:さぁ? もちろん却下しましたが。ちなみに今どれくらいです?

中ボス:大体三分ですね。

社畜:何かあったんですかね?

中ボス:まぁ、馬のケツとかに頭突っ込んで死んでないことを祈るばかりですね。

社畜:あはは。……と、噂をすればのようですね。


  『Waiting for [3rd] to join』と表示されていたモニターに人影が写り込むと『生ハム』という文字が表示される。


中ボス:三分の遅刻ですよ、生ハム。

社畜:あれ……?


  『生ハム』と文字が表示されたモニターには左目にリボルバーレンズの付いた眼帯をはめた女が写り込んでいる。


死神:ははっ、通じたぜおい。こいつぁ信じても良いかも知んねぇな。神様ってやつを。

社畜:……女の子?

死神:って、歳でもねぇつもりなんだけどよぉ、女神様? えーっと、何だっけ『ベーコン』!

社畜:ベーコン?

死神:……いや、違うな『プロシュート』? ん? 違う。あ『ナマハゲ』!

社畜:『生ハム』ですか?

死神:そーそーそれそれ! ハムだハム!

中ボス:『生ハム』ですよ……。

死神:どっちでもいいだろ。んで、偉いハムのおっさんが言ってた極東……なんとか会議ってここであってる?

中ボス:そうだが君は誰だ? というか、銃声が聞こえるのだが……。

死神:あんた耳大丈夫か? これ、迫撃砲だよ。

中ボス:は?

社畜:迫撃砲……?

死神:どっちかっつうと花火だなぁ。そういや極東の花火は綺麗なんだってなぁ? KIMONOを着て「TAMA・YAH!」って言うんだっけか? ん? ああ、こりゃ機銃掃射も受けてるから銃声ではあるのか。やつら、死体撃ちのつもりか、でなけりゃ祝砲か。適当に撃ってやがるな。……と、テメェら怪我人抱いて物陰に伏せろ! おら、来るぞぉ! 叫べぇ!

社畜:へ?

中ボス:な、何がだ?

死神:四、三、二、……「TAMA・YAH」ッッ!!


  轟音が響く。


社畜:きゃぁ!

中ボス:うおぁ!

死神:……生きてるかぁテメェら? ……うし、大丈夫そうだな。てかよぉ、今のはヤバかったなぁ。はっはっは。マジ今度こそ死んだと思ったわ!

中ボス:な、何がどうなってるんですか? 生ハムは! 第三師団は! あなたは誰なんです!

死神:っち! うっせぇなあんた、これさぁ、忙しいの見て分かんねぇかな? よく空気読めないって言われるだろ、なぁ、だからテメェはいつまでもラスボスじゃなくて中間管理職の中ボスなんだよ。

中ボス:うっ……! どうして私のコードネームの由来を……! じゃなくて今、私のことは——

社畜:――どうでもいい、第三師団の被害状況を速やかに報告しなさい。

死神:壊滅。

社畜:なっ!

死神:いや、こりゃ殲滅かねぇ?

中ボス:殲滅って……。

社畜:生き残りは?

死神:俺の隊――つっても隊長は戦死。ひよっこ三人と、その辺で拾った負傷者多数。あとは知らん。

中ボス:生ハムは何を……!

死神:基地諸共に丸焼け。

中ボス:ふざけるな!

死神:ふざけてねぇ。現実だよタコスケ。おら、見えんだろ、このザマが。


  『生ハム』と表示されたモニターには瓦礫と数人の負傷者、戦火が写り込む。


中ボス:極東第三基地が……!

社畜:あぁ……生ハムさん、火が通ってとうとうハムに……。

中ボス:……社畜さんコメントおかしくないですか?

社畜:寝てませんからねぇ。しかし、目が覚めました。一体何があったのですか? 『暫定師団長』?

死神:ほぉん、あんた随分冷静だな。えっと社畜様?

社畜:社畜で結構。裏方とはいえ伊達に長年極東勤めしてませんからね。全滅、壊滅など日常茶飯事です。

死神:奇遇だな社畜さんよ、俺もそうさ。

社畜:それで、第三師団に一体何があったのです?

死神:ああ。十分くらい前か。俺たちは外に出てて助かったんだがよ、空を走るカトンボから火柱が降ってきて基地は全部消し飛んだ。生き残り探してたら砲撃食らって、絶体絶命。助けを呼ぼうにも通信機はほぼ全滅、でも、基地の一番端にあったこいつ・・・だけが唯一繋がった。以上。

中ボス:カトンボ……? 火柱……? 貴様、何を言って——


  『Waiting for [5th] to join』と表示されていたモニターに、ポリカーボネイト製ゴグル一眼形の保護メガネを掛けた男が写り込むと『おもちゃ屋』という文字が表示されてる。


おもちゃ屋:――それは衛星兵器だよまず間違いないね既に開発に成功していたと噂には聞いていたけれどまさかこんなにも早くお目にかかることになろうとは。

社畜:おもちゃ屋さん。

死神:おもちゃ屋? どっかで聞いたな。

おもちゃ屋:やぁやぁ社畜ちゃん? ふむ。見たところ五徹くらいしてやつれているようだがそんな君も素敵だ! あぁどうだい今度デートでも?

社畜:あー、はい。何かの間違いで休暇が取れたら。

おもちゃ屋:やったー!

中ボス:それより衛星兵器とは何ですか? おもちゃ屋さん?

おもちゃ屋:おやおや無粋な君のモブキャラ具合も相変わらずだね中ボスくん。

中ボス:は?

おもちゃ屋:オーケー分かった凡人の君でも分かるように単純化して説明して差しあげるならば超強力な兵器で武装した人工衛星だね。地球軌道上からエネルギー兵器でボン。先ほど第三師団の基地から異常なパルスが検出されたがなるほどそれで僕の開発したこの回線以外の通信が駄目になったのか。いやそれよりも……あぁ残念だよ我が親愛なる大親友生ハム。僕は君の為に墓穴を掘ってあげよう。そう、実は今ちょうどいい兵器を開発中でね? 超高圧環境に適応した水陸両用兵器『ダイオウグソクムシ』というのがあったんだけど、よく考えたら昔似たようなのを作っていたことを思い出してね、折角だから新しい機能を付けようということで、高圧に耐える設計を応用して、これを地底掘削潜行メカに改造している。と言っても、まだ試作段階なんだけど……って何の話だったっけ?

死神:ははっ、こいつやべぇな。

社畜:まぁ。

中ボス:……妙だ。

おもちゃ屋:失敬な君たち! 善良にして優良にして最良の僕を掴まえてなんてこと言うのか!

死神:んなことより、どうするよ? 基地は瓦礫で、部隊もここに映ってるだけだ。

社畜:敵はどれくらいか分かりますか?

死神:この眼・・・で見た限りだと兵隊は六千ってとこだな。あと、でけぇ大砲と機銃が四方八方に並んでる。あぁ、見慣れた地獄だよ。

社畜:基地は衛星兵器とやらで焼き払われ、兵員も僅か……。撤退は可能ですか?

死神:撤退――で、いいのか?

中ボス:まさか……!

社畜:まさか戦うつもりですか?

死神:命令とあらば。

社畜:無茶です!

死神:行くも地獄、帰るも地獄、留まってんのも地獄なら、答えは簡単だろ? 奴らもまとめて地獄に道連れ。なぁに、やつら、俺たちはもう死んでると思ってんのか、砲撃も既に止んでる。灰と闇に紛れて食らいつけば、どてっ腹に穴空けるくらい訳ないさ。

中ボス:いや、でも、そんなことが……?

社畜:そんなことできるわけが——

死神:――あるぜ。やってきた。これまで何度もな。

中ボス:あり得る、のか……?

おもちゃ屋:何度も? そういえばその素敵な眼帯。君はもしかして……?

死神:名乗るのが遅くなったな。俺のコードは『死神』。このくらいの地獄じゃ俺は殺せねぇ。

おもちゃ屋:死神くん……! やっぱりそうか! ちなみに君の付けてる『赤外線対応波長可変型三段階倍率リボルバースコープ眼帯八式』は僕の作品なんだよ!

社畜:貴方が伝説の……。

教授:あら元気そうね、死神ちゃん。


  『Waiting for [4th] to join』と表示されていたモニターに、右目にモノクルを付けた幼い少女のような人物が写り込むと『教授』という文字が表示される。


社畜:教授!

おもちゃ屋:教授殿!

死神:……せんせーか。

教授:久しぶり、死神ちゃん。それに遅くなったわね、社畜ちゃん、おもちゃ屋ちゃん。なんだかとっても大変なことになってるみたいね?

社畜:はい。生ハムさんが、第三師団が……。

教授:おおよその事情は把握しているわ。

おもちゃ屋:流石教授殿は耳が早い! しかし念の為に状況を改めて整理させていただきますと第三師団が敵の衛星兵器による攻撃を受け基地ごと壊滅! 難を逃れた死神が生き残りを集めて籠城。そして全世界和平工廠ぜんせかいわへいこうしょう第五号工廠だいごごうこうしょう謹製きんせい極東会議用特殊通信回線きょくとうかいぎようとくしゅつうしんかいせんデバイス――つまりこの僕の開発したスペシャルな通信機により交信を行っているという具合さ。

教授:あなたは相変わらず喋るのが早いのね。

おもちゃ屋:ははっ! そうでしょう!

教授:それよりどうするつもりかしら? 察するに敵の包囲網を死神ちゃんが突破するか殲滅するかみたいな話なのだと思うけれど。

社畜:いえ、或いは救援を送ることも検討しておりますが……。

教授:それは間に合うのかしらね。

社畜:え?

教授:おもちゃ屋ちゃん、衛星兵器が再度発射される可能性とそれまでのタイムリミットは?

おもちゃ屋:現在当該衛星兵器の位置を計算しているところだけど恐らく低軌道を周回しており九十分に一度攻撃してくると考えられそして次の攻撃まで約七十分。

死神:七十分生き残るのも、七十分で奴らをぶちのめすのも楽勝さ。

教授:とっても心強いわ。でも……。

社畜:でも?

教授:ほんとにそれでお終いという話なのかしら。

社畜:どういうことですか?

教授:ねぇ、何かあるのよね? さっきっから考え事している——

社畜:――中ボスさん?

中ボス:……ええ、これは私の考えすぎ、なのかも知れませんがね。

教授:言ってみて? 誰も笑ったりなんてしないわ?

おもちゃ屋:ふむ?

社畜:何か、あるんですか?

死神:なんでも良いが、早くしてくれよ。早くしねぇと俺たちが『チャーシュー』になっちまうからよ?

中ボス:……そうですね。少々、お待ちください。

死神:うん……?


  中ボス、一度眼鏡を外して溜め息を吐くと、眼鏡を拭いて掛け直す。


中ボス:……いやぁこれ、完璧に仕組まれてますね。やられました。裏切りです。


  間。


社畜:あははははは!

おもちゃ屋:いひひひひひひひ!

死神:うふふふふふふ!

教授:えへへへへ!

中ボス:おほほほほほって。いや、みんな笑ってんじゃないですよ。というか、全然冗談じゃないんですけどね?

社畜:マジですか、中ボスさん?

中ボス:考えうる限りマジです。

おもちゃ屋:ちょっと何言ってるかよくわからないんだけど何がどうして裏切られたなんて答えに行きつくのかそもそも僕に裏切るような仲間なんていないけどとかそんな悲しい現実を突き付けられたらその悲しみだけで僕は世界を滅ぼしてしまえる気がするからさぁ世界を滅ぼそうじゃないかみんな!

死神:あんたは少し黙ってろよ変態ゴーグル機械オタク。

おもちゃ屋:その呼び方酷いね君!?

教授:それより中ボスちゃん、あなたの考えを聞かせてくれないかしら?

中ボス:もちろんです。が、皆さんお気をつけてください。恐らく何か——


  『生ハム』改め『死神』のモニターを除いた全ての画面で異なる警報が鳴り響く。


中ボス:(アナウンスA)「非常事態発生! 非常事態発生!」

教授:(アナウンスC)「警告! 警告! 警告!」

おもちゃ屋:(アナウンスD)「異常を検知しました! 異常を検知しました!」

社畜:(アナウンスB)「緊急警報! 緊急警報! 緊急警報!」

死神:な、なんだ……?

中ボス:――もう遅かったようですね。

おもちゃ屋:えぇっ? な、何事だぁ!?

社畜:これは一体、どういう!

教授:してやられた、というわけなのね?

死神:おいおい、一体何があった!


  それぞれの執務室に部下が駆け込んでくる。


教授:(第二C)ヘイ! 『中ボス』支部長さんよぉ!

中ボス:(第四A)失礼! 『教授』室長!

社畜:(第五B)『おもちゃ屋』工廠長!

おもちゃ屋:(第一D)恐れ入りますが『社畜』支部長補佐兼広報部長代理兼人事部長代理兼財務部長代理!

社畜:長い! 支部長で良いといつも言っているでしょう! 何の用です!

おもちゃ屋:な、何が起こってるんだい?

教授:何事かしら?

中ボス:何の騒ぎだ!

おもちゃ屋:(第一D)第一支部地上ビルの各所で謎の爆発及び火災発生しました。消火活動の為、放水を行おうとするも、細工をされていたのか配水管が破裂し地下にまで浸水。その混乱に乗じて刺客が侵入、動力室を乗っ取られました!

中ボス:(第四A)室長! 大変なことになりました! 我らが新人類特殊能力開発機構第四研究室の負の遺産、あの禁忌指定改造人間永久凍結病棟に何者かが侵入し、被験体HMS及びHMZシリーズ計十三体が眠りから覚めたようです!

教授:(第二C)ヘイヘイヘイ! 中ボス! ウチに本部から増員されてきたっつうファッキン部隊なんだがよ! なんかいきなり武装蜂起して反乱を起こしたらしいぜぇ! ヒャハァ! そんで今は、地上ビルと地下二階まで占拠されちまって三階で防衛線敷いてるんだが、HAHAHA! この調子じゃ地下五階のこの部屋まで到達されんのも時間の問題だなぁ! ヒャハァ! どうするよ!?

社畜:(第五B)工廠長、僕には理解できないのですが、この全世界和平工廠五号工廠の廃棄物保管庫で、スクラップになっていた筈の試作型水陸両用自律機動兵器X‐A27『イセエビ改』十六機なんですが、何者かのハッキングによって暴走を始めたとの報告が。……これ、どういうことですか? あれは確実に廃棄したんですよね?

おもちゃ屋:えぇーなんだってー!?

教授:なんと!

社畜:マジかマジかマジかマジか!

中ボス:クソ! 短時間でこのザマか!

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