第5話 せいこう

今までは私より遥斗のほうが落ち着いているイメージで、甘えると言っても、彼はハグした後も一瞬で普段の誰も好きじゃないですオーラを出してくる。なんなの、もう。

でも、そんな彼を焦らせる作戦を思い浮かんだ。

実風をちらつかせるんだ。

いつものハグだと刺激が少なくて安心感も得られづらくなってきてるし、ここらでちょっとかましちゃいますか。

お昼ご飯を食べた後、

案の定、関係性を危ぶむ発言をしたら、彼はキスマまでつけてきた。

ああ、満たされてる。私は彼のものなんだ。もっと、もっと欲しい

実風ができないことを、もっと、もっと、

「もっと…頂戴、」

じゃないとこの関係を終わらすね、と言う前に、彼の手は私の服の中に伸びてきた。

甘い声が彼の部屋にいやらしく響く。理性を働かせているのかわからないが、ゆっくりと慎重に服を脱がす。でも、逆に羞恥心がでて、おかしくなってしまいそうだった。

いつも彼の家族が座っているリビングのソファでこんなことをしていることに対する後ろめたさが、私の快感を加速させた。

体から出る蜜を吸うように、彼は体の隅々まで跡をつけた。

本番はしなかったものの、私達は体に跡をつけ合い、気がついたら3時になっていた。

シャワーを貸してあげるといわれ、洗面所で服を脱ぐと、私の体は首から足先まで跡に覆われて、特に下腹部に至っては、跡が連なって花火のようであった。

ああ、今日の花火、こんな醜態を隠していくんだ。

そう思うと、体が火照って行く気がした。

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