第16話 レイヤーデビュー②

“エナジーちゃん”と言うのは……血の悪魔が女の子に憑依した魔人で……どうやらその自由奔放な性格や発言がこのキャラの魅力の様だ。……エナジーちゃんをコスプレのテーマに選んだのがいかにも千景らしくて……オレはますます『千景フェチ』になってしまった。

 で、しっかり仕事もしましたよ!


 去年、揣摩さんの買い物に付き合って行ったユザ〇ヤにコスプレコーナーがあったのを思い出してCOSボード(熱で曲げると形が固まる造形用素材)を探しに行った。ちなみにユザ〇ヤは千景も足繫く通っていると後になって聞いたのだけど。


 何種類か買って来たCOSボードのうち、薄手の物とヘアクリップでエナジーちゃんの角を作り、厚手の大判の物でエナジーちゃんの武器である『血の斧』の刃の部分を作った。

 別にコスプレ用の矛槍(両刃と柄3本に分解できる物)をネット通販で取り寄せて、この柄の部分を斧の柄として流用した。

 こうすれば持ち運び時に短くバラせて便利だからだ。

『血の斧』は各パーツを一旦組み立てた後、白のスプレーで下塗装し、赤のスプレーで上塗りした。

 うん!なかなかの出来栄えだ!!


「キャーッすっごくいいじゃん!」とオレの造作に感激してくれた千景は……

 白のワイシャツに黒いネクタイとズボン。ふわっと羽織った青のパーカーに明るいオレンジベージュの超ロングのウィッグを無造作に垂らし、それだけで十分さまになっていた。


 このウィッグにオレの作った角を付けた千景は、鏡を見ながら念入りにコスプレメイクを始めた。

「初めてだから時間が掛かっちゃった!」

 こう言って振り返った千景はまさしくエナジーちゃんで……オレはスマホを立ち上げ、夢中で写真に撮った。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る