第32話 クリスマスとは?
お先に失礼します!
ε≡≡ヘ( ´Д`)ノ
パートのおばさんの眼が光ってる、絶対悪巧みしてるに違い無い、ならば長居は無用!。
「怪しいと思ったのよ此の間もコソコソ逃げ出すから、あっコラ待ちなさい!」
「お先に失礼します!」
待ちなさいと言われて待つ訳が無い、掛かる声を振り切り逃げ出した、捕まると長いからね…。
ε≡≡ヘ( ´Д`)ノ
「お帰り♥」
「ただいま、ホラ直ぐに行こうパートのおばさんに捕まってしまう!」
「うん♥」
(≧∇≦)
手を取り信号を渡り歩き出す、この先も此の女性に幸多からん事を願って。
此の日を境に少し俺の行動が変わる、翌日の日曜日の当番はお客様は疎らだが月曜日に向けて入荷する物は多い、下げて検品し新たな商品を並べて行く、デリカ系を並べ終わった頃に書籍が入荷、返品分を下げ雑誌に漫画を並べ終え一冊を手に取りレジに戻る、此の後明け方近くのパンの入荷迄二時間弱は来店されるお客様対応のみ。
カメラに写る様にキーを打ち硬貨を入れる、コレで此の本の所有者は俺、◯刊アルバイトニュースのページを捲り出す、御題目で職種を判定し眼を通す、末端のページに到達するも残念乍掲載は無かった、まぁ早々に見付かったら世話無いか…。
バイトが終る少し前に悠美はやって来る、嬉しそうにニコニコして。
「お願いします♥」
「お預かり致します」
手渡される代金を預かり、お釣りを手に乗せる。
「もう直ぐ終わりだね♥」
「わざわざ迎えに来なくても良いのに?」
「あたしがしたいの気にしないで♥」
「其れなら良いけど…」
「表で待ってるね!」
「有難う御座いました!」
そう言ってドアを出て行く悠美を見送る。
早いもので二週間が経とうとした頃、悠美は流石に遊んでられないと言って仕事を始めた。
だけど今迄の職種やスキルとは懸け離れた職場、都内で一流とは言わないがそんな場所で仕事をしてたから、てっきり其のスキルを活かせる仕事を探すのかと思っていたのだが…、仕事が決まったと嬉しそうに報告するので聞いてみると歩いて行ける近所のスーパーで日中のパート?。
(・・?
流石に気になり聞いてみたんだが…。
「今迄の職種と余りに違うし、パートでしょ?、経験活かせる仕事じゃ無くて良かったの?」
「そんなの全然拘らないよ、それにね………、正社員だともしお腹大きく成った時に休職も退職大変だもんねッ♥」
(≧∀≦)♥
「其れは幾らなんでも気が早く無い?、俺の仕事が未だ何時決まるかも判んないかのに…」
「だから何時でもって言ってるの♥、出来るだけ早くそうなると嬉しいけどねッ♥」
「イヤイヤ其れじゃ順番が…」
「もしもって言ったでしょ♥、あたし順番何か全然気にしないよ、でもそうなったら嬉しいよね♥」
「何かとんでもない事言ってるし…」
(。ŏ﹏ŏ)
「あたし欲が出て来たの!、子供達とパパと愉しく毎日過ごして行くの其れだけでもう充分なの…」
「判った!、早く仕事見つけないと成らないな!」
「焦らなくて良いよ、今も充分幸せだから♥」
そう言われて、ハイそうですかっては言えないよな…。
早くも年末のイベントが近付き、街の雰囲気も御多分に漏れずバイト先のコンビニの店内もクリスマスのPOPで飾られて華やかなもんだ、こんな中で違和感を感じてるのは俺位の者だろう。
上京して来たばかりの去年は、余りに違う街の雰囲気に辟易してた、クリスマスってもっと厳かなもんじゃ無いのか?、あの方の誕生を祝う日じゃ無いのって疑問だらけ、何か恋人同士の祭りって感じでさ、住む場所が違うだけでこんなにも違うものかと…。
それで悠美はと言うと…。
「クリスマスはケーキとケンタで良いのかな?」
「ケンタってCMで流れてるやつだよね?、アレって鳥の唐揚げ見たいな物なの?」
「もしかして食べた事無いの?」
「未だ一度も無い…」
「そう何だ…、実家にいる時は如何してたの?」
「鳥の丸焼きだったな…」
「鳥の丸焼き?、随分豪勢何だね…」
「年に一度だし、多分ケンタの方が豪勢だと思うよ、ケンタの方が高いからね…」
「そうなの?」
「確か丸焼きは二千円しなかったと思うよ、田舎の方だとケーキの方がもっと高かったからね?」
「それじゃ丸焼きの方が良いかな?」
「イヤイヤ食べ切れないよ、家は五人家族だったから、それでも余ったら翌日の夕食のおかずに為ってたよ!」
「そうか五人家族何だ、賑やかそうだね!」
「まぁね!」
「あたしも賑やかな家族が欲しいな♥」
「五月蝿いって思うの間違いじゃ無くて?」
「そうね…、でも誰かと一緒に過ごすクリスマスって、クリスマスを待ち遠しく思えるなんて何年も無かったからあたし愉しみ!」
「あっ…」
又俺は不味い事言ってしまったのか…、例の事以来一人で過ごしたんだと思う、此の時期は恋人と過ごすクリスマスや家族団欒で盛り上がるCMで溢れる、見るのも辛く、そんな娘の事をご両親も本人が立ち直る日が来るのを待って居たんだろうから…。
「どうしたの難しい顔して?、あたしとクリスマス愉しみじゃ無いの?」
頭の中をフル回転させ答えを探す、回答を間違う訳には行かない!、それで俺の口から出た回答は…。
「幾つか思う処が有ってね、コッチと俺の田舎じゃクリスマスって行事が全く違っててさ、何でだろって考えちゃった…」
「そんなに違う物なの?」
「あゝ全く別物でさ、コッチじゃ恋人同士の為のイベントって感じだよね、俺と悠美見たいにさ二人で過ごす夜って感じじゃ無いかな?」
「うん♥、だからあたし愉しみ!」
(≧∀≦)♥
よし!、辛い思い出は忘れた儘で良い、コレからの楽しい事だけを想うだけで良い!、俺がやらなけれないけないのは哀しむ顔をさせない事。
単純明快な事だ無事に巣に戻る事、其れが厳しい仕事に為るのは解ってる、其れでも俺は帰って来る!。
(๑•̀ㅂ•́)و✧
辛い思い出は忘れた儘で良い、コレからの楽しい事だけを想うだけで良い!
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