第3話
「おっじゃまー」
「まぁ寛いでくれ、ババアはどこだ?」
「お風呂です」
「ったく、呑気なもんだな」
ととりあえずマサムネがソファーに座っているので飲み物にコーラを渡す。
「しかし、よく考えたらわかるはずなのにな?」
「だな。昔の男はヤレる人形が良かったんだろ?」
「はぁ、バカな奴らだな」
「だな、『王』がどうなってるか心配だぁー」
いま10歳のはずの『王』は生まれたとは聞いたが見たことがない。
「どうだろうな、もう俺たちの想像の先を進んでるかもな」
「だーね、まったく人間は愚かだねー、AIにいい様にされてさ」
そう、AIに操作されてるとも知らずに欲望のまま生きてきたからこうなったんだ。
「この街に何人男が残ってる?俺のチームもそこまでいない」
「60人弱じゃないか?他の街は知らないが」
そのうち年寄りは……
「年寄りはいないな」
「そー!やっと気付いたの?俺ら精子作る工場なのだ」
年寄りで精子が作れなくなったら殺されてる可能性があるな。
「ふぅー、いい風呂だったよ」
「な、服着ろ!」
「ったく、年寄り扱いするくせに」
「ボインボインだー!」
「いいから服着てこい!」
「はぁーい」
と戻って行くババア。
「あ、ここにいいのがいるじゃーないか!」
「ん?」
“グシャ”
「お前俺ん家のアークエンジェルだぞ?」
「頭は壊してないから平気だよーん!」
スマホを取り出して頭のコネクターに繋ぐとデータを吸い出している様だ。
「んー、スマホじゃイマイチ!スズトのパソコン貸して」
「分かったよ」
とノートパソコンを持ってくると、
「ここをこうして」
「へぇ、これでアクセスできそうだな」
と服を着たババアと壊れたアークエンジェルを囲んでいる。
「あ、スズト、サンキウ!あとはこーして、繋げば」
と結構グロい光景だな。
「よし、地下の地図ゲット!」
「「おおー」」
「よーし、このままマザーに繋がってるはずだからウイルス送り込もう!」
とノートパソコンを凄いスピードで操るマサムネ。
「っとに、こう言うところは頭がいいねぇ」
「あはは、褒めてる?」
とあっという間にウイルスを注入した様だ。
『グッガッアッ』
「おっとやばっ!」
とノートパソコンを外して離れる2人。
アークエンジェルの頭が“ボンッ”と爆発した。
「オーノー!もうちっとだったのに、まぁ、少しでも入ってくれればいいかな?」
「武器はなんかある?」
「ねーよ、んなもん」
「んじゃ調達に行こう!」
とスマホでどこかに連絡するマサムネ。
外に出るとアークエンジェルが攻撃してくるのでマサムネのハンマーを借りて潰して行く!
「もう、俺ら殺処分の対象かよ!」
「だーね!守ってダーリン」
とふざけるマサムネ。
「お前はノートパソコン守れよ?」
「はぁ、私まで処分対象じゃないかい!」
とババアが言うと壊れたアークエンジェルの足を持って器用に攻撃している。
中央広場まで行くとマサムネのチームのみんなが武装している。
「とーちゃく!よっし!アークエンジェル撲滅作戦いくよー!」
「「「おぉー」」」
ハンマーをマサムネに返して俺は剣を握る。
ノートパソコンはチームの小柄なメンバーが1人いてそいつが触っている。
「こっちに通路があります!」
「いくのよーん」
「「「おぉー!!」」」
と十数人固まってアークエンジェルを倒しながら地下への入り口に入って行く。
黒いアークエンジェルが出てきて何人か傷を負って倒れるが、みんなで倒しながら進むと女が現れる。
「え?男?」
「そうだ、男だ!俺たちの話を聞くか?」
「え、は、はい」
「こっちだ!」
と傷付いた仲間を支えながら扉の中に入ると、ベルトコンベアで流れ作業をしている女達。
「みんな、とりあえずこの人達の話を聞くわよ!」
「え?男?」
「怪我してるじゃない!」
「いそいで!救急箱!」
と女達も動いてくれる。
「と言うわけだ、話は分かったか?」
「「「「はい」」」」
「俺たちはこの中枢に行くからそこまで援護してくれ!」
「任せて!」
「みんな武器になるものを用意して!」
「男を怪我させるんじゃないよ!」
と女達は動いている。
流石に怪我のひどいやつは置いて行く。
「最後まで付き合えないなんて」
「まってろ!首根っこ引っこ抜いて持ってきてやるからねーん」
「はい!ご武運を!」
「なーにしみったれたこと言ってんだい!勝つよ!」
とババアが叫ぶ。
「「「「おぉー」」」」
と言って部屋から出るとアークエンジェルが大勢待ち受けていた。
「行くよみんな!」
「「「「おう!」」」」
「ヒャッホー!まだまだ!」
とマサムネは嬉しそうに飛び回っている。
「おら!せやぁ!」
俺も負けじとアークエンジェルを斬り捨てて行く。
「この道を真っ直ぐです」
とノートパソコンを持った男が言うと、
「俺のノートパソコン大事に持ってろよ!」
と斬り込んでいく。
「ふぅー!おらぁ!」
マサムネも続く。
俺たちは中枢への道に入って行く。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます