CHAPTER Ⅴ:地下層〈レイヤ編〉
第XX話:「新世界より(New Order)」
深紅のカーペットが玉座へと延びる。
その先に腰掛けるのは、ゴスロリ服の小柄な少女――レイヤ。
ドヴォルザーク《新世界より》第四楽章。
弦と金管のうねりが、艦内の低い振動と重なり合う。
彼女は目を閉じ、ただ微笑を浮かべていた。
玉座の左右、巨大なコンテナが並ぶ。
黒鎧の騎士はなおも剣を握り、氷に沈む女は呼吸を止めた人形のよう。
身体のいたるところに機械部品を埋め込んだ男は鎖で吊るされ、沈黙している。
かつて“英雄”と呼ばれた者たち。
今はすべて、盤上に並ぶ“駒”。
「さあ……ゲームを始めよう。」
雲を割き、空中要塞〈RAIN MAKER〉は静かに前進する。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます