第15話 現世への架け橋
『よかった、見つけた!』
「シャノン様!」
虹色の羽をもつ鳥、シャノン様は僕の腕を止まり木にする。一体、どうやってここまでやってきたのだろうか。混乱で頭が追いつかない。思わぬ人物の来訪に、驚きを隠せない。
「どうして、ここが分かったの!?」
『教えてくれた人がいたのだ。冥界に行く前に、あえてよかった。…坊や、その目は!』
「あはは、また話すよ。ん?」
口元を見るとなにか咥えており、突き出されたそれを受け取る。葉がついた木の枝であった。先には白い木の実がついている。
「これは?」
『アワブキの実だ。』
その名前には聞き覚えがあった。僕が彼らと別れた後に、兄に言われて探していた実である。
赤くないと不思議に思い、尋ねてみると、熟せば赤くなるが、この時期は白なんだとか。
あの兄たちは、僕を騙していたことを知り、ショックだったものの、今更、期待してはいけないという答えに行きつく。身内だとしても、命の危険にさらされたのだ。十分な理由である。
シャノン様は、僕の髪をついばみ、意識を自分の方に向けるよう促した。
はっとして、顔をあげれば、瞳を細めて大丈夫かと言わんばかりに、羽で頭を撫でる。
そして、僕が落ち着いたのを見計らい、話を続けた。
『現世で育った植物の実を川に流すことで、現世へと繋ぐ道が作れる。』
「つまり、これで現世に戻れる?」
『あぁ、オークス。二人が待っている。』
自分の手を見て、震えているのに気づいた。
——戻れる、彼らの元に。
無意識に拳を握りしめて、眉間に力が入る。嬉しさが込み上げて、溢れそうになった。
袖でふき取ると、目に入ってきたのは、ゲイル様だった。
視線は僕ではなく、その少し横、肩に移動していたシャノン様に向いていた。
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