第3話 義兄の1日②
「なんか一つのクラスの前に集まってるね、扉の外からみんなで中見てる感じだね」
「うちの学年は平気で入ってくるからこっちはマシでいいね」
休憩時間、下の階まで降りて様子を見にきていた。
「そんな同学年の仲間たちに怒りを向けない向けない。それよりなんか珍しいものでもあったのかな」
少し後ろで様子を見てると、先生が来て廊下にいる生徒は解散させられた。少し残念そうな顔をしながらボソボソとなにかを口にしながら皆去っていった。
「やっぱあの人ほんとにやばいよな!名前なんだっけ?」
「ね!日本人じゃないのかな…、めっちゃ可愛いし」
そんなことを会話してる生徒たちが横を通りすぎると同時にある単語に反応して西井がバッと後ろの生徒たちを見た。
「確か…大槻さん?だったかな」
なるほどなと俺は思い、西井は目をまん丸にしていた。
「えっ、名前一緒?えっ?浩人のこと?」
「な訳ないだろ。残念ながら西井以外に友達がいない俺は見事にぼっちなのだよ。もちろん後輩にも知り合いなんていないぞ」
「言ってて悲しくならない、それ」
「ならん。もう慣れた。あと西井は俺のこと浩人呼びなんてしないんだから感覚狂う、やめてくれ」
「紛らわしいじゃん、それより話題に上がってたのってあの金髪の子だよね。うち髪染めるの禁止だからあれ地毛ってことだよね」
「そうだな、うちの学校は禁止だな」
「あと多分めっちゃモテるよね」
「だろうな」
「爆発してくれないかな」
「帰るぞ〜」
「早くな〜い?あと首周りの服の部分は引っ張らないでよ、伸びるちゃう」
「なら帰る、OK?」
「はいよ〜」
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〜放課後〜
「帰る前にご飯行かない?今日昼までで昼ごはん食べてないし、どうせ家で冷凍でしょ?」
「人の生活をのぞき見しないでもらえる?どこ行く?」
「変わり身早すぎでしょ。うーーん…、うどんでどう?」
「問題なし、行こう」
それから自転車を走らせて、うどん屋さんでそれぞれうどんを注文した。俺はとろ玉うどん、西井はざるうどんを大盛りで頼んだ。
「珍しいな大盛り食べるなんて。西井は少食だと伺っていたのですが」
「今日朝食べるの忘れたからお腹減ってるんだよ。あと話変わるけどさ、なんか視線をあり得ないくらい感じる気がするんですが…」
「きづかなかったわ。そんなにやばい?」
「なんで大槻は気づかないんだ?って今思った」
「視線は…、うーーん。背が高くて目立つからじゃないですかね?」
「身長自慢しないでもらっていいですか?」
自分→178cm
西井→168cm
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