第11話 グルキャン
レオさんはイケメンじゃないけど、女の子にモテるんだろうな、と思った。
日本でもトップクラスの大学の院生で、喋れば面白いし、気も使える。見た目はチャラいけど、お酒呑めないし、良い人に思える。
だけど、真顔でこんなことを言う。
「俺は教授になって助手の女の子にメイド服着せて手ぇ出すのが夢なんだよ 」
私たちはドン引きだ。
「だってさ、日本に住んでたら、ご主人様とメイドさんは基本無理じゃん?だったら教授って呼ばれたい!メイドさんに呼ばれたいのだ!」
葵が冷たい目で
「そもそもメイドさんが無理でしょ!」
とツッコミを入れたけど、全く響いてなかった。
「メイドカフェのメイドさんは商業的過ぎて無理なんだってさ。結構通ったんだけどね。」
とコーヘイさんが口をだした。
「へぇ、お兄ちゃんメイドカフェとか行くんだねぇ。へぇー」
と葵がニヤニヤしている。
コーヘイさんが一生懸命モゴモゴと言い訳をしている。
この兄妹も結構仲良しだなぁ、と感心する。
レオさんが
「コーヘイは女の子のいるお店いくとめっちゃデレデレなんだぜ。イケメンの癖に。」
ほうほう。それで?と葵が続きを催促する。
「キャバクラとかでも2人の妹自慢とかするの。女の子の胸元みてデレデレしながら。イケメンのモゴモゴ」
流石にコーヘイさんがレオさんの口を塞いだ。
そんなにシスコンなのかこの人。でも胸元は見るのね。
そんで葵もちょっと照れてる。可愛い。あれか?これが尊い「てぇてぇ」ってやつか。
「でも、ホラ。晴も結構お父さんと仲良いよね。あの愉快なお父さん。」
葵がこっちに矛先を向けてきた。
「おぉ、晴ちゃんが今日1番嫌そうな顔を!」
レオさんが茶化す。
「晴のお父さん変わってるんだよー私結構好き。」
コーヘイさんの目が見開いた気がするが気のせいだろう。
「へー変わったお父さんなんだ、どんな感じ?」
「そうですね一言で、言うと変なやつだと思います。父親ながら。」
「なんかこの間夕食の時に言い出したんですよ。」
なんか晴が語り出した!と3人は盛り上がる。
この話は聞いてほしいので無視をして続ける。
「お前ら2人はさ、もう高校生と中学生な訳よ。もう子供の頃の可愛らしさはほぼほぼ失ってるわけ。わかる?」
うんうん。とみんな聞いてくれる。優しい。
「だからさ、せめてエンタメを提供してくれよ。学校での友達との会話とか、変なやつの言動とかさ、変わった先生とか。愚痴っぽくないヤツ。友達とのくだらないやりとりも、親としては中々のエンタメだったりするんだ。」
「って真顔で言うんですよ?変な親でしょ?」
コーヘイさんが面白がって聞いてくる。
「変わってるし、面白いお父さんだね。それで晴ちゃんは学校の事とか話すの?」
「気分が向けば、って感じですかね。でも弟はなんか影響受けちゃって。一生懸命友達の話とかしたんですよ。」
ほうほう。そしたら?と葵がワクワクしてる。
「父が一言「つまんねー」って 」
「酷い!」
3人がめっちゃ笑ってる。
取り留めのない会話をしていると数時間が経過していた。
レオさんが車から焚き火台を持ってきた。
グルキャンの時は焚き火は1個をみんなで囲むのだろうか?
父の友人数人とキャンプした時は1個の焚き火をみんなで囲んでお酒を飲んでいた気がする。
いや!父とその友人とのキャンプは私の中ではグルキャンに入らない。
ノーカンでお願いします。
今回が私の友人との初めてのグルキャン。
そういう事で何卒よろしくお願いします。
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