24 このたびは ぬさも取りあへず 手向山 紅葉の錦 神のまにまに


このたびは ぬさも取りあへず 手向山(たむけやま) 紅葉の錦(にしき) 神のまにまに

菅原道真(すがわらのみちざね) (平安前期の公卿・学者・文人)


若者訳

ヤベっ……!

今回マジで急すぎて、神様用の祈りアイテム(ぬさ)準備できんかったわ!

でもさ、この手向山の紅葉、映えすぎじゃね?

これを神様へのプレゼントにしといていいっしょ?!

あとは神サマの気分次第ってことでヨロシクー!



現代語訳

急な旅だったので、神にささげる幣(ぬさ)を用意する間もありませんでした。

せめて、手向山(たむけやま)の紅葉の錦を、神様のご意志のままにお受け取りください。


幣(ぬさ):神への供え物。

取りあへず:準備する間がない。

手向山:旅の途中で神に供え物をする山。

紅葉の錦:紅葉を錦織にたとえた美しい表現。

神のまにまに:神の御心のままに。

作者は菅原道真で、宇多上皇の行幸(ぎょうこう)に随行した際に詠まれた。幣を用意できず、代わりに自然の紅葉を神への供え物に見立て、神の意思に任せる謙虚な心を表している。



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