よろしくお願いしまふ…あぁ勃起舌がバレたなコレは
人前に出ての自己紹介なんてのは通常時でも少し緊張するものだと思う。
しかも今は舌がアレで喋りづらいハンデを背負っての自己紹介となる。
どうにかバレないように乗り越えないとな。
そんな事を考えていると一人の少女が手を挙げ
「ねぇ?君の名前は『なんでマスクしていないんだ?』じゃ無いよね?私たち君の事何て呼んだらいいの?」なんて言ってくる。
そういえばさっきボソッと呟いたっけ。聞いていたのか。
「「くすくす」」
「「ふふっ」」
なんかクラスメイトが笑ってくれたからか緊張が解れた気がする。俺もニヤリとなるよ。
あの娘に感謝だな。クラスのムードメーカー的な娘なのかな?
「ベロタン」
「「「ベロタン?」」」
もう!俺は何をやってるんだ、前世の名前を言ってしまったよ。
こっちでいうタロウやハナコ並みに平凡な名前だ。ベロとタンでベロタン。
他で言うとペロやシタ、マウス等もベロリアンが好んで名前に使ったりする。
「あっ、えと、母と妹からはそう呼ば」
「そうだよね。男性が本名教える訳ないよね。じゃあ、ベー君!そう呼ばせてもらうね」
なんか受け入れられたんだが。
ベー君か…うん!気に入った!
前世での名前が抜けてない俺としてもありがたい。
クラスメイトもガヤガヤと盛り上がってるな。
今「カッコいい」って聞こえた気がする。言ったよな?
正直嬉しい、モテたくてこの世界に転生させてもらったんだ。その為に昨日までの俺は努力してきた。ような気がする。
昨日までの俺、よくやった!(俺は何もしてないけどな)
「じゃあ、ベー君と呼んでくれ。皆と仲良くなりたいと思ってるから、その、よろしくお願いしまふ……っく」
あぁ、やってしまった、バカバカ…
最後の最後で噛むなんて…
これはバレたよな…
いまだに半勃起舌なの…
女子に勃起がバレた男の未来なんて決まってるんだよ…
こいつ起ってんじゃんキモい!
いやらしい目で見ないで!
変態!
不潔!
近寄らないで!
受け入れよう…これからの高校生活はこの重い枷を背負っていくんだ俺は…
ずーん、と沈んだ気持ちのまま新しい教科書等を貰いに先生に続いて一年A組の教室を後にして職員室へと向かった。
俺が教室を出て少しするとドカンと窓ガラスが割れるかといった爆声が聞こえてきた。
どうせ童貞勃起舌な俺の事をワーキャー言っているんだろうな。
はぁ、それにしても皆の唇えっちだったな~。
三年間えっちな唇をチラ見出来るなら童貞勃起舌と言われても生きて行ける気がする。
なんか唇の事ばかり考えてたら舌がベラベラ(ムラムラ)してきた!
首の後ろトントンして一旦落ち着こう。
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